シンセティック・フォニックスを教えていてよかった・・・と思うこと
シンセティック・フォニックスを教え始めてから10年以上になりますが、読み書き困難がある日本にいる子どもたちに継続的に指導を始めてからはまだ2年ほどです。
小学生に教えていることが多いのですが、今年3月から中学3年生の生徒にも教え始めました。
その子は、英語がとにかく苦手で、私とシンセティック・フォニックスを学ぶまでは
「今まで避けてあきらめていた英語」
だったそうです。
一緒に勉強していると、その子の弱いところが見えてきます。読み書き困難がある子どもは記憶を保持する力が低い場合も多く、定着するまでに時間がかかったり、今、声に出して読んだものをもう一度読んでもらっても読めなかったりします。
今、見ている子は1文字1音はしっかり入り、ダイグラフという二文字で1音をつくる綴りも大丈夫。
単語も hat, pen, tug など3文字単語も自分で読めます。
また、chat, then, dash などダイグラフ(太字)が入ったものも認識ができ、読めますし、
make, tune, like のような魔法使いの e が入ったものも読めます。
苦手なのが
clip, star, grow のように子音が重なったもの(太字)。一文字ずつ読めるけれど、それをひとまとめの単語として読もうとするときには、音が保持できず読めなくなってしまうのです。
それでも、ゆっくりと一緒に何度も繰り返し繰り返し読む練習をした結果、最近では
rabbit, button, tractor, traffic jam, trumpet, pumpkin
など、長い単語が読めるようになったんです!これには本人も喜んでいましたが、お母さんもびっくり。
お母さんが毎週、気が付いたことを教えてくださるのもうれしい。
そして、最近は、
「出先で英語表記を見つけては、読もうとする」
ようになったとのこと。
読めるということが、こんなにも「意欲」を産むんですね。
前回は「今までは同じ書体の英語しか読めなかったけれど、今日は、教科書の文字、ジョリーフォニックスの文字、山下先生の手書きの字、すべて判読できて読んでいたのに、驚きました!」との声。(文字の書体が変わるだけで読めないなんて、きっと「普通に」読み書きができる人はびっくりでしょうね。)
この子をはじめとして、読み書き困難がある子どもたちにスカイプでレッスンをする時間は私にとって、勉強になる貴重な時間。毎回、子どもたちにたくさんありがとうの気持ちを込め「先生がうれしかったこと」を伝えています。
私がおすすめする読み物として Jolly Phonics Read and See。
12冊で1パックになっていますが、テーマ別に単語を読む本。
この bed という単語を読んで、折り返しになっているページを開くと
というようにイラストが出てきます。
Pack 2 はダイグラフシリーズ。
ai, oa ee, or, ng, oo, ch, sh, ou, oi, er, ar を含む単語を扱っています。
単語が読める喜び。シンセティック・フォニックスでは、学習し始めてすぐに単語を読み始めていくので、子どもたちにとっても、毎回読める単語が増えていき、とてもうれしいようです。読み書き困難があるないに関わらず、読める喜びを子どもたちに感じてほしいと思っています。
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