ジョリーフォニックス:ワーキングメモリの観点から

今日は 株式会社 Progress さま主催のオンラインセミナー EduSemi で『ジョリーフォニックスで学ぶ!英語の読む力、書く力の基礎づくり(リンクをクリックすると外部サイトが別タブで開きます)というタイトルでお話をさせていただきました。

私は、いつも「国語」でのひらがなの読み書きの話をします。国語であっても、丁寧に一音と一文字の一致を行い、それをくっつけたりはなしたりして読み書きができるようにしていきます。翻って英語は暗記に頼るばかりで、知らない単語の意味も読み方も綴りも一気に覚えなくてはならず、子どもにとっての負荷がいかに大きいか、知っていただきたいと思っています。

今日はそんな話もしながら、ジョリーフォニックスの簡単な内容をお話し、続いてノートルダム清心女子大学の湯澤美紀先生(リンクをクリックすると外部サイトが別タブで開きます)から記憶についてのお話をいただきました。湯澤先生とのコラボは今までも数回あるのですが、毎回、何度聞いても勉強になります。こちらの「ワーキングメモリと英語入門 多感覚を用いたシンセティック・フォニックスの提案」をベースにお話してくださいますが、データでその効果を見せられると、納得できますね。

(↑クリックすると外部サイトへ進みます)

毎回、何度お話をうかがっても「!」と思うことがあるのですが、今回は次の二つ。

●音韻的類似性効果と視空間的類似性効果

●誤学習

音韻的類似性効果という点では、m, n のように似た音は干渉しあっているし、p, d のような似た文字も干渉し合って、なかなか定着しない。だからこそ、新しいことを入れていくにはワーキングメモリの 3 つの入力方法(視空間的、エピソード、言語)を使いながら、一つずつ入れていくことがいいという話。

誤学習についても納得することばかり。誤学習して、それが一度、長期記憶に留まってしまうと、なかなかそれを変えることが難しく、その後の学習を妨げるというのはみなさんも指導されていて経験あると思います。ADHD の衝動性との関連も、そうか、と納得できました。

また、長期記憶でワーキングメモリの小ささも補うことができるので、意味記憶、手続き記憶、エピソード記憶を意識した指導を行うことの重要性を再認識できました。

詳細はぜひ上記本をお手に取ってご覧ください。

ジョリーフォニックスがなぜすべての子どもたちにいいのか、その理由はこうした記憶という側面からも実証されています。こういう読み書き指導を本来なら国が主導していってほしいな・・・と感じます。そうしたら日本人の英語の読み書きの力ももっと向上するのに、と思います。

湯澤先生とのお話は来週のブリティッシュカウンシル主催のセミナー(リンクをクリックすると外部サイトが別タブで開きます)、そして 8 月に私が考えている勉強会でも聞いていただけるかな、と思います。

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