ジョリーフォニックス総合トレーニング受講ありがとうございました
ちょうど一週間前、2024 年最後のジョリーフォニックス総合トレーニングが終了しました。今回もバックグランドが異なる約 20 名の方が一緒に学び合う、素晴らしいトレーニングになりました。小中高校の先生、インターナショナルスクールの先生、聾学校の先生、英語教室の先生のみならず、お子さんに教えたいお母さん、現役を引退されて 70 歳近くで大学院で学んでいる学生さんなどなどが受講くださいました。これ、私のトレーニングのいいところだと自負しています。最終日には 4 人一組でデモレッスンをしていただきますが、この時もさまざまな方の視点からフィードバックをし合えるんです。私もとても楽しかったです!
ジョリーフォニックスは英語の音素 42 個に対してその文字(綴り)を指導し、単語を読み書きできるようにしていきます。トレーニングでは、まず 日本語と英語の違い を考え、英語の読み書き指導の変遷 をざっくりと見た後、ジョリーフォニックスの特徴や概略 に触れ、そしてその ジョリーフォニックスの指導方法 を学んでいきます。指導法としては国語の指導に例えるのなら
を行うことになります。トレーニングは、指導内容全体を学んだ後、実践の場「デモレッスン」(トレーニング Part 3)を経て「発達段階と支援」(トレーニング Part 3)という構成になっています。
みなさんのフィードバックがとても勉強になり、ここですべて紹介したいくらいです!パートごとに少しずつピックアップしてご紹介します。
まずこちらは Part 1 からの感想。
アナリティックフォニックスは音を分割しても、音を結合する練習を目的としない点が課題でした。シンセティックフォニックスでの学習経験がない生徒に突然音を繋げるよう指導してもうまくいかず、無理があったと反省しました。今回のトレーニングでようやくそれは何故か理解し、ジョリーにおいても時間短縮目的などで安易にカスタマイズしたレッスンはするべきでないと思いました。
アクションやおはなしを覚えたら指導できそうな気がしてしまうのですが、実施は、子どもが何をトリガーにして音を想起できるのか、その子その子の得手不得手を見ないといけないこと、子どもに読ませる時間を取ることの大切さ、フォントや紙の色についてなど、様々な状態にある子どもにどう支援するかを考える必要があることがよく分かりました。そして何より、子ども自身が「わかった!」と自信を持てる瞬間を作ってあげることの大切さがよく分かりました。
こちらは Part 2 の感想ですが、私が「はじめてのジョリーフォニックス 2」をなぜ英語版と同じにせずに日本人だから、という思いで作ったのかを見事にご理解いただいたフィードバック!
はじめてのフォニックス2のテキストが「同音異綴り」「ひっかけ単語」「文字」「語彙」「読解」と5つのテーマになっていてそれが一つのユニットになっているものが積み重なっているという構成になっていることに指導上の願いがこめられていると感じた。たくさんの単語を自分の力で早く読めるようになってほしいという願いを達するには、例えば「同音異綴り」のみを並べても良いが、それだとよく似た情報が過多になって混乱しやすくなる。また「ひっかけ単語」を学ぶのがあとになると読める語彙が制限されてしまう。少しずつ確実に押さえていくことで、読める単語が増えていく。そして復習が多く取り入れられていることもその願いを反映していると思う。そしてそれと並行して decodable books を読んでいくことで、「わかる!」「読めた!」の思いを後押しして、そこから情報を得たり、自分に自信をつけたり、もっと読みたいと思えたりする姿につながっていくのだと感じた。少しずつスパイラルに上がっていくイメージで、「ひっかけ単語」や「文字」など一つの項目をまとめてやるよりも、結果的に定着もよく発展的な活動がしやすく学びやすい構成になっているのではないかと思った。
次にこちらは Part 3 のデモレッスンからの感想。
今回、同じグループに手話でデモレッスンをしてくださった方がいらっしゃいました。山下先生も後で、「とても感動したので、皆さんに見せてあげてください」、と言われていましたが、私も全く同様のことを感じていました。とてもこの手話でのデモレッスンが私の中に響くものがありましたので、少しここで考察も兼ねてまとめたいと思います。
まず、手話でのお話しがとても心に染み渡る感じがしました。デモをされていた方の声のトーンがとても心地のよかったです。普段、耳の聞こえに不自由があるお子さんに指導されているということだったので、自然と人の耳に届きやすいトーンが身につかれているのかもしれません。私は、ついつい、聞いてほしい時に声を張り上げてしまったり、声のトーンが高くなりがちですが、これは逆効果なのだな、と痛感しました。
もう一点、気がついたことは、手話のスピードもあるからか、一言、一言の間に心地よい間があることです。間があることによってとても話しが耳に入ってくる感覚がありました。
そして最後になりますが、お話しの時、声からの情報だけでなく、手話の手の動作があることによって、音の情報を手話が補完してとても安心感がありました。私は学習スタイルが視覚優位だったので、音だけでなく視覚の情報があることがとても安心だったのかもしれません。
手話のニュースなどは目にしたことはありましたが、お話を手話で聞くというのは私にとって初めての体験でしたが、本当に感動しました。とても勉強になりました。
そしてこちらが Part 3 支援からのフィードバック。
Part 3 の擬似体験について、支援の必要な子どもたちは、英語を記号もしくは暗号のように見えているのだと知りました。この見え方だと、読んだり書いたりすることは難しいと思いました。私はこの体験をしなければ、なぜ読めないのだろうか、書けないのだろうか、と思うだけで、支援が必要な子どもに目を向けられなかったかもしれない、支援が必要だということに気づけなかったかもしれないと思うと、今回トレーニングを受講して本当に良かったと思いました。また、支援があればできるようになる子どもたちもたくさんいるのだということにも、気付かされました。支援は、子どもたちの可能性を広げるものであり、子どもたちの「できない」の壁をなくすものになるだろうと感じました。一人でも多くの子どもたち、全ての子どもたちが学びやすくなるよう、これから支援していきたいと強く思いました。
最後にご紹介するのは、こちら、全体の感想。
この講座を受けるまで、フォニックスとは何かを詳しく知りませんでした。音と文字を関係づけての学習法だよなとざっくりとしたことしか知らず、「音」が大事だからフォニックスを学んでみようという位の考えでした。実際受講してみて…、もう目から鱗です!こんなにも理解しやすく、楽しい英語学習法があるんだと感動しました。なぜ日本の英語教育にどんどん普及していかないのか不思議でたまりません。今後、どんどん普及が進むことを心から願っています。
再受講をしてとてもよかったです。1回目は覚えることが多く、頭がいっぱいになって、初めは自分にはやはり無理かなと思っていたのですが、受講中ジョリーフォニックスの多感覚を使う本質の学びの素晴らしさに心が熱くなり、また、同じグループの先生のお話も聞けて時間をかけながらでも学んで自分の子どもだけでなく、英語を学ぶ多くの子どもに楽しく自信を持てるジョリーフォニックスを伝えたいとも思うようになりました。
一年に 6 回行っているジョリーフォニックス総合トレーニングです。私も日々、ジョリーフォニックスで子どもたちに読み書き指導をしているため、毎回、少しずつ経験も増えています。何度も再受講してくださる方もいて、ありがたい限りです。
子どもたちの笑顔のために、一緒に学びませんか?次回のトレーニングは 2025 年 2 月(リンクをクリックするとそのページに進みます)です。
みなさま、よいお年をお迎えください。
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