ハンドライティング指導について:松井孝志先生のセミナーより

このブログを読んでくださっているみなさん、ご自身が英語指導で使われている文字のフォントは何というフォントかご存知ですか?

自分が普段作っているワークシートのフォントに意識を向けたことはありますか?

え?フォントなんて、見た目がかわいい comic sans や、一般的によく使う century でいいんじゃないの?と思っている方、多いのでは?

今日は、松井孝志先生を講師にお招きし、35 名のみなさんと一緒にハンドライティングについて学びました。松井先生は英語の文字指導を牽引してくださっており、私も松井先生からいつも学んでおります。(先生のブログ『英語教育の明日はどっちだ!Tmorowing at second best(リンクをクリックすると外部サイトが別タブで開きます)をどうぞご覧ください。)

松井先生の文字指導初級編は、これまで対面で一回、私が主催する勉強会で短いバージョンの初級編を二回受講していますが、受けるたびに「」と思うことがたくさんあります。一回目のときは、知らない言葉もたくさんあり、頭がいっぱいになりましたが、それでも教えていただいたことを基に子どもたちに文字指導をすると、文字の改善が見られました。しかし、気が付くとだれてしまったり、「ま、いいか」と思うこともあったりしていて、これではいかんと思い、自分自身の勉強も兼ねて私が運営するコミュニティの勉強会で 2 年に 1 回のペースで教えていただこうと思い、今回がその 2 回目でした。

今回は、具体的に「ここに気を付ければいい」ということが明確に見えました。そして、四線の間はどれくらいの比率がいいのか、ということに関しては「どういう文字を書いてほしいのか。それによっての補助線が変わる」ということ。なるほど!

そして、何より今回、心に響いたのは「発達段階に応じた文字指導」ということ。そして、「万能なフォントはない。指導者がコントロールできる(いいところ取りができる)。」ということば!そうか!今回は私にとってここが響いた部分でした。

以下、受講された方のフィードバックから。本当はみなさんの声をお届けしたいのですが、一部のみ紹介します。

初めてのハンドライティングセミナー受講でしたが、発見だらけ・意識していないことだらけの内容で、とても勉強になりました。これまで、文字は「ていねいに」書こう、と子どもたちに伝えていたことが、「ていねい」とは一体何か、より具体的に伝えてこれなかったことに猛反省です。そして4線はあくまで補助線であり、何を重視するかで指導者がハンドライティングを選択できる点が、目からうろこの発想でした。大切なのは、子どもたちをしっかりと観察すること、子どもたちに合わせて文字指導をしていくことが重要だと感じました。

本当に日本では英語学習の初期段階でのスモールステップという観点が抜けていると実感した。教えるときにフォントのことまで意識が向いていなかったが、フォントは読みやすさ、識別しやすさ、書き順の認識しやすさなどの点で、英語学習の初期段階にやるべきとても重要なポイントだとわかった。また、教科書など子ども達の目に触れるフォントをよりわかりやすいものにし、教師が板書するフォントと合わせることも重要だと思った。

今回のセミナー本当にたくさんの学びがあり、貴重な機会をいただけたこと感謝しています。特に視写の難しさの要因のお話しが印象的でした。音韻認識が育っていないのに何回も書かせることはせずに既習語彙を増やすことの大切さ、またフラッシュカードを見せての全体での文字の形を見せて練習するのではなく、必ず音におとしてブレンディングやセグメンティングと合わせる必要があるときいて本当にその通りだなと思いました。ジョリーフォニックスを通して子ども達が苦労しない英語学習をサポートしていきたいな改めて思いました。

ハンドライティング指導の大切さをあらためて痛感いたしました。文字の認識は誰でもできる当たり前のことととらえており、そこに困難を感じている生徒のことに考えが及んでいませんでした。現行のカリキュラムでは、文字指導は小学校で行われるのですが、中学校でも復習として取り組もうと思います。

ハンドライティングについて多くを学ばせていただきました。これまでの「思い込み」が丁寧なお話で解消されていくわくわく感が楽しかったです。  印象的だったのは「視写」についてです。文科省の求めるところにはかねてより疑問を抱いておりましたが、文字指導の前に音韻認識があることが重要と、今回のお話で再確認され、改めてジョリーフォニックスの低学年からの導入の必要性を感じました。単語をまだ読めない児童が、一文字ずつ、記号として文字を写すという現状をなくすため、「音」を表す文字としてしっかりと文字指導をしていきたいです。

文字を書くということを指導するときにはここまで知識が必要なのに、今の日本の学校ではそれが全くと言っていいほどなされていないことに危機感を感じました。フォントに対する意識も、英語科教員でも高くはないです。入試問題はなぜいまだに全部センチュリーなのか、とても疑問に思っています。

実は私自身、今現在、新たな教材についてのやりとりを出版社と行っているのですが、フォントについてもいろいろ悩んでいた時だったので、今回の松井先生の話はいろんな面で考えさせられました。毎回受けるたびに新しい学びがあります。フォントについて、英語を指導するみなさん、もっと考えましょう!

松井孝志先生、本当にありがとうございました!またぜひお願いいたします!

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