大人への 1 年間のフォニックスレッスンを通して

私たち日本人は英単語を「丸暗記」して覚えています。私たちの世代も、その上の世代もそう。そして、私たちの子どもの世代も。今も昔も変わらず、「暗記」に頼っています。

もちろん、「暗記」しないといけない単語もあります(Wednesday, come など)。でも、ひらがなを読むように、「この文字はこう読む」というのがわかれば、その「暗記」をする労力も時間も減りますし、脳への負担、そして何よりも暗記する苦痛から解放されるのでは、と思っています。この「この文字はこう読む」という勉強をするのが「フォニックス」なのです。

さて、いま、私はイギリスで大人の方へジョリーフォニックスを教えています。42 音から始めて、同音異綴りを教えていきます。大人ですので、子どもと違って単語はある程度知っているのですが、だからと言って読めるとは限らないのです。また、大人は癖がついてしまった発音を直すことも難しいですが、徐々に徐々に発音がきれいになり、単語が読めるようになっていくのがうれしいですね。

一つ一つの音を発音することが私たち日本人には難しいので、こんな読み方をするのも一つです。

・単語を見たときに、音に区切る
south であれば、s-ou-th と 3 つに音が区切られます。これを一つ一つ丁寧に発音します。それをくっつけて、south と読む練習。実は、これが結構難しく、どこで区切るかがあやふやになることもあります。そうなると、読むときにしっかりと読めず、通じなくなってしまうのです。

・ダイグラフを意識する
cutであれば、c-u-t の 3 文字がそれぞれ音を持っているのですが、上記 south では、5 文字あるけれど、音は 3 つ!意識しないと、s-ou-t-h というように読んでしまいます。
また、ひっかかりやすいのが、魔法使いの e(ジョリーフォニックスでは Hop over e)。make は a-e の二つで「エィ」、bike は i-e で「アィ」、evening は e-e で「イー」。母音の間と間に子音が入り込んでいるときは、じっくりと見て、どこに魔法がかかっているかを見破らなければいけません。
joke このように o と e を目立たせると、それがわかりやすくなります。
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(*もともと oe (オゥ) という音が、k によって、分割されてしまっているだけで、ちゃんと oe という読み方は残っているんだよ、という分割されたダイグラフのことを split digraph (スプリット ダイグラフ) と言うこともあります。)

こんなことを行いながら、口の動きも意識して読む練習を 1 年行ってきて、その受講者の方からこんな感想をいただきました。

耳で聞いた知らない単語を辞書で「こういう綴りかな」と予想してひくことができるようになってきた

これなんですよ!大人の方であれば、それが大事だと思うんです。そして、辞書で引いて、「あ、これだ!」とわかったときのうれしさ。小さなステップのように感じますが、こうした経験を積んでいくことで英語に対する音も綴りも敏感になっていくと思っています。

別の方は

今まで、いかに自分が適当に読んでいたかがわかって、ちゃんと読めるように(発音できるように)なっていく

とおっしゃっていました。

大人になってからでも、全然遅くないフォニックスの勉強。やってみようかな、と思ったときがチャンスかも。子どもだけでなく、大人にもお勧めです。

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