よりよい文を書くために: VCOP と Thesaurus

よい文章を書くというのは、日本語でも英語でも難しいものです。多くの日本人の子どもたちを見てきて、ある程度まで文章を書くことができるようになりますが、たいてい、

・使う動詞が決まっている
・文の書き始めがいつも同じ
・形容詞が増えない
・接続詞がなかなか使えない

というところから、どう伸ばしていくかが課題になってきます。しかし、これは何も日本人の子どもだけではないのです。現地の子どもたちも同じ。もちろん、語彙数は全く違いますが、日本人の子どもが日本語で作文を書くときも、似たような文章になってしまい、おもしろくない、ということがありますが、それと同じです。

そこで、イギリスの小学校で用いられている VCOP という文章をよりよくするための方法を今日は紹介します。
VCOPというのは、

V:Vocabulary (語彙)
C:Connectives (接続語、接続詞)
O:Openers (文の書きはじめ、書き出し)
P:Punctuation (パンクチュエイション、句読点)

の略で、学校では、この4つに気を付けて文を書くように段階別に指導していきます。
↓教室の掲示です

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この写真を見ると、文字がたくさん書き込まれたカラフルな三角形がみえると思います。アップにすると・・・

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まず、CのConnectives から見てみます。
Year 1 の子どもたちは、たいてい文を書くときは、一文なのですが、複文にするために and を使うように指導されます。

and が使えるようになったら、次は、オレンジ色の部分、but, so, then, because, when を使うようにします。それができたら、その下の黄色の部分、それができたらその下の緑の部分・・・というように、徐々に接続詞を増やしていきます。

DSCN2610次に、Openers です。こちらも同様に、徐々に文の書き始めをいろいろな表現でできるようにしていきます。

 

 

 

DSCN2609

 

そして、Punctuation。

まずは . (full stopと言います。日本ではピリオドですね。)を正しく使えるようにします。結構、これが使えない子どもが多いんですよ。

次に、?, ! と増やしていき、” ” (スピーチマーク、日本で言うかぎかっこです)  や … (余韻を持たせる方法) を文中で使えるようにしていくのです。

レベル的には、赤色が level 1、オレンジと黄色が level 2~3、緑が level 3~ くらいかと思います。 (level に関しては、「どうやって成績をつけるの?」をご覧ください。)

Vocabulary に関しては、授業の内容によって変わってきます。今、私が勤めている学校では火山について勉強しているので、そうした単語は教室の壁にかかれていたり、机の上に置かれていたりします。子どもたちは、それを見ながら新しい単語を習得していきます。

こちらのサイト(Sparkle Box: vcop_mat)やこちらのサイト(Teacher’s Pet Displays: VCOP Display Pyramid)を見ていただくと、この三角形の階層がもっと多いのがわかるかと思います。一番下の部分が使えるようになれば、Year 6 のライティングのレベルに達したと思っていいかと思います。(両サイトとも無料でダウンロードできます。Dysplay Pyramid は4枚の三角形を組み立てて、ピラミッド状にしたものを机上に置いておき、いつでも見られるようにしておくものです。)

学校の先生に「もう少しライティングのレベルを上げるようにしたいですね」と言われたら、これを参考にして文を書くようにしてみたらいかがでしょうか。あとは、Thesaurus (類語辞典) を使って、いつも使う単語とは違うものを使うようにしましょう。
よくある例として、goを使う代わりに travel, walk, dash, wander, march, dawdle, scramble, jog など別の単語を使ってみるところから始めてみるといいでしょう。あとは、good の代わりに、こちらもThesaurus で引いてみて、どの単語が自分の表現したいものに当てはまるのかを考えて単語を使い分けるようにします。

*ちなみに・・・私も自分が論文を書いているときには、文の書き出しがいつも同じになってしまい、自分で読んでいてもつまらないと思いました。そんな時は他の人が書いた論文をたくさん読んで、とにかくいい表現、自分が使わない表現を書き留めておいて、実際に自分が書くときにそれを真似していきました。

【カテゴリ:リーティング・ライティング・文法・単語】ナビゲーション

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