【覚書】ブレンディング、セグメンティングができつつある段階(11/14補足あり)

 今年、私が担当しているフォニックスのグループは、いわゆる slow learner といわれる子どもたち8人のグループです(一学年60人の約1割強ですね)。イギリスでは reception (4-5歳児) でシンセティック・フォニックスの指導が始まりますので、1年生になった時点では、44音と文字の対応、3音~4音のブレンディングとセグメンティングができるようになっています。しかし、私が担当している子どもたちは、18音と文字 (s, a, t, p, i, n, v, e, h, r, m, d, g, o, u, l, f, b) の対応はできていますが、ブレンディングとセグメンティングが5人ほどできていませんでした。

 1か月半ほど指導をしていく中で、どうしても2人の子どもはブレンディングが難しく、4人はセグメンティングが難しい。できないのにはできない理由があるので、それが何なのかを限られた時間内で探っていきます。まず、年齢というのも大きな理由です。研修の覚書(2019年10月)にもあるように、ブレンディングができるのは5歳です。この子たちは8月生まれ(学年の中で一番年下)で、5歳になったばかり。なので、こちらが焦らないようにしなくては。

 では、具体的にブレンディングするときに、どんなことが起こるかというと、例えば、 hat を見たときに /h-a-t/ といえるけれど、ブレンディングすると tap, ham などと違う単語を言ってしまうのです。これは、h という音を保持することが難しい、もしくは、t という音が耳に残ってしまうことが原因というのもあります。ですので、3音を行うよりも2音(まずは母音+子音、次に子音+母音)を行っていく方がいいだろうと判断し、現在進行中で行っています。2音は2週間くらいの指導でほぼほぼできるようになってきました!
 3音は指を文字の上を滑らせることでブレンディングのコツをつかんでもらっていて、なんとなくわかりつつある段階です。

 過去のブログにもブレンディングでつまずくときに知っておくといいことを書いていますので、ご参考に。
ブレンディング 覚書 (2017年8月) 
2018年5月 覚書 その1:特性を見つける
2018年5月 覚書 その2:母音について
2018年5月 覚書 その3:成功体験を積む

 次にセグメンティングですが、こちらは研修の覚書(2019年10月)にもあるように、6歳でセグメンティングができるようになるので、年齢的にもまだ大丈夫。でも、少しずつ自分で単語を書けるようにはしていく必要があります。今回、私が行っているのは以下の写真のような教具を使って行っているセグメンティング。

 前述したように、文字と音の対応はできているので、母音を緑、子音を黒で書いたポストイットを使います。上の四角の上に黒色と緑色で塗ったポストイットが見えると思います。初日は母音+子音(on, in, at, up など)を行い、緑色+黒色のポストイットを張っておきます。

 次の日は子音と母音に分ける練習なので、子どもには最初が黒色、次に緑色とわかるようにしています。子どもは si と聞くと、s, i と分けられても、置く順番が違ってしまうので、色で s が先に来ることを知らせています。これだけでも、かなりヘルプになっています。次に、3音になったときには、最後の四角の上に黒色で塗ったポストイットを置きます。大抵、sit だと t を最初に持ってきて、t-i-s と置く子どももいます。そうしたら、指で s-i-t と各四角を触りながら言うと、自分で s-i-t と直していきます。
 こんな風に、少しずつ視覚でのサポートも使いながらセグメンティングを行っています。ちょっとずつできるようになってきていますが、もう少し時間はかかりそうです。また、数か月後にレポートができればと思っています。

*今日、同僚が同じようなレッスンを行いましたが、子どもが集中できなかったと。その理由は、使用した紙が普通紙であったから。なぜ私がポストイットを使っているかというと、紙が動かないようにするためだと説明したら、すごく納得していました(同僚はポストイットが近くにあったから使っているかと思っていたそうです(笑))。普通紙では、紙が鼻息で動いたり、袖にあたってどこかへ行ってしまったり、床に落ちたりすることで集中が途切れるのを防ぐために私はポストイットを使用しているんです。ポストイットの前はマグネットレターを使っていたのですが、音がカチャカチャなることで集中力が途切れたため、今はポストイットで落ち着いています。実際に使用する教具も大切なんだと子どもたちに教えてもらっています!

【11月14日に補足】
文字の数ですが、上記写真では母音が5つ、子音が8つありますが、最初はもっとその数を少なくしてください。私は母音は a, o, i の3つ、子音は s, p, m, n, d で行いました。また、ジョリーフォニックスの第1グループにある母音2つ a, i、子音4つ s, t, p, n でも十分かもしれません。

【カテゴリ:シンセティック・フォニックス】ナビゲーション

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