【覚書】ブレンディング、セグメンティングができつつある段階

今年、私が担当しているフォニックスのグループは、いわゆる slow learner といわれる子どもたち 8 人のグループです(一学年 60 人の約 1 割強ですね)。イギリスでは reception(4-5 歳児)でシンセティック・フォニックスの指導が始まりますので、1 年生になった時点では、44 音と文字の対応、3 音~4 音のブレンディングとセグメンティングができるようになっています。しかし、私が担当している子どもたちは、18 音と文字(s, a, t, p, i, n, v, e, h, r, m, d, g, o, u, l, f, b)の対応はできていますが、ブレンディングとセグメンティングが 5 人ほどできていませんでした。

1 か月半ほど指導をしていく中で、どうしても 2 人の子どもはブレンディングが難しく、4 人はセグメンティングが難しい。できないのにはできない理由があるので、それが何なのかを限られた時間内で探っていきます。まず、年齢というのも大きな理由です。『研修(Speech, Language and Communication Needs)の覚書(2019/10/9)』にもあるように、ブレンディングができるのは 5 歳です。この子たちは 8 月生まれ(学年の中で一番年下)で、5 歳になったばかり。なので、こちらが焦らないようにしなくては。

では、具体的にブレンディングするときに、どんなことが起こるかというと、例えば、 hat を見たときに /h-a-t/ といえるけれど、ブレンディングすると tap, ham などと違う単語を言ってしまうのです。これは、h という音を保持することが難しい、もしくは、t という音が耳に残ってしまうことが原因というのもあります。ですので、3 音を行うよりも 2 音(まずは母音+子音、次に子音+母音)を行っていく方がいいだろうと判断し、現在進行中で行っています。2 音は 2 週間くらいの指導でほぼほぼできるようになってきました!3 音は指を文字の上を滑らせることでブレンディングのコツをつかんでもらっていて、なんとなくわかりつつある段階です。

次にセグメンティングですが、こちらも同じ『研修(Speech, Language and Communication Needs)の覚書(2019/10/9)』にもあるように、6 歳でセグメンティングができるようになるので、年齢的にもまだ大丈夫。でも、少しずつ自分で単語を書けるようにはしていく必要があります。今回、私が行っているのは以下の写真のような教具を使って行っているセグメンティング。

前述したように、文字と音の対応はできているので、母音を緑、子音を黒で書いたポストイットを使います。上の四角の上に黒色と緑色で塗ったポストイットが見えると思います。初日は母音+子音(on, in, at, up など)を行い、緑色+黒色のポストイットを張っておきます。

次の日は子音と母音に分ける練習なので、子どもには最初が黒色、次に緑色とわかるようにしています。子どもは si と聞くと、s, i と分けられても、置く順番が違ってしまうので、色で s が先に来ることを知らせています。これだけでも、かなりヘルプになっています。次に、3 音になったときには、最後の四角の上に黒色で塗ったポストイットを置きます。大抵、sit だと t を最初に持ってきて、t-i-s と置く子どももいます。そうしたら、指で s-i-t と各四角を触りながら言うと、自分で s-i-t と直していきます。

こんな風に、少しずつ視覚でのサポートも使いながらセグメンティングを行っています。ちょっとずつできるようになってきていますが、もう少し時間はかかりそうです。また、数か月後にレポートができればと思っています。

*今日、同僚が同じようなレッスンを行いましたが、子どもが集中できなかったと。その理由は、使用した紙が普通紙であったから。なぜ私がポストイットを使っているかというと、紙が動かないようにするためだと説明したら、すごく納得していました(同僚はポストイットが近くにあったから使っているかと思っていたそうです(笑))。普通紙では、紙が鼻息で動いたり、袖にあたってどこかへ行ってしまったり、床に落ちたりすることで集中が途切れるのを防ぐために私はポストイットを使用しているんです。ポストイットの前はマグネットレターを使っていたのですが、音がカチャカチャなることで集中力が途切れたため、今はポストイットで落ち着いています。実際に使用する教具も大切なんだと子どもたちに教えてもらっています!

【11 月 14 日、補足として以下を追記】
文字の数ですが、上記写真では母音が 5 つ、子音が 8 つありますが、最初はもっとその数を少なくしてください。私は母音は a, o, i の 3 つ、子音は s, p, m, n, d で行いました。また、ジョリーフォニックスの第 1 グループにある母音 2 つ a, i、子音 4 つ s, t, p, n でも十分かもしれません。

【カテゴリ:シンセティック・フォニックス】ナビゲーション

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