勉強する=study?

日本の中学校で必ず習う
  I study English.

イギリスの小学校で働き始めてから、この言葉が妙に気になるようになりました。まず、子どもたちは誰も使わない(私が今まで勤めたことがある学校は primary なので、日本でいう小学校です)。
先日、保護者会で子どもの英語の勉強をもう少しがんばるように言われたアジア人の親御さんが、先生に
  My child needs to study English hard at home.

というようなことを言うときに、study を使っていました。この保護者会の後、先生が「子どもは study しないわねぇ。」と、私に話しかけてきたのですが、このとき、あぁ、やはり study は違うんだ、と確信しました。

まず、study というのは、大学などで専門に学ぶときに使う単語です。ですので、
 I study English at university.
といえば、英語を専門で勉強しているんだなぁとわかります。しかし、小学生や中学生の子どもは学校での勉強を専門で行うことはないので、 study を使うことはほぼありません。では、何というかというと、
 work
です。

こちらのほうが、私たち日本人は「え~~~?働く???」とびっくりしますね。work といえば「仕事をする」という意味で、
  My dad works every day.
というような文を習いますものね。

しかし、 work というのは、大人であろうと子どもであろうと、「自分がすべきことをする」という感じでしょうか。ですので、子どもにしてみたら、学校で勉強することが「すべきこと」なので、 work を使うようです。
先生も子どもたちに
  You worked hard today. Well done!
と褒めますが、 You studied hard today. というのは聞かないですね。
だからなのか、宿題は homework となります。homestudy ではありません。(home study というと、大学などでオンラインを利用して、家で勉強することを意味します。ちなみに home schooling は子どもを学校に行かせないで、自宅で子どもたちを教育させる方法です。)

I  am working hard!

I am working hard!

では、大人の場合はどうなるのか。
私は今も英語を勉強しています。この場合は
  I study English. または、I learn English.
となるそうです。ただ、learn のほうは一生懸命に勉強している、というよりも、授業などで受け身的に勉強している感じだそうで、I am learning English hard. とは言えません。なので、これを表現するのであれば、I am studying English hard. になります。大学などで勉強していなくても、この場合は study でO.K.です。

う~~ん、よく使う言葉だからこそ、そのニュアンスが難しいですね。人によってその重さも違うだろうし、どこまでを一生懸命というのか、また授業でも一生懸命勉強している!ということもありますもの。英語に限らず言語を教えていると (私は日本語も教えているので)、言葉は一対一の訳ができないということを実感します。

*ちなみに work はとてもよく使う単語で、「機能する」というようなニュアンスがあるので、
  My pen (car, phone や機械など) doesn’t work.
  This medicine worked on me quickly.
などとよく使います。

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