紙と鉛筆以外の「書く」ための小道具
イギリスの小学校で働くようになり、日本との違いに驚いたり、感心したりすることはたくさんあります。こちらにちょこちょこと書いておりますが、教科書がない、個々の机がない、子どもが授業中に出入りするなどなど・・・本当にたくさんあります。
日本との違いでこれは大きいな、というのが、「書く」道具としての授業中に頻繁に登場する「ホワイトボード」があります。
A4サイズの小さなものですが、これがとても便利です。ささっと書いて、消すことができるし、床に座っていても(イギリスでは床に子どもたちが座ることが多い)書くことができます。学年が小さい子どもには綴りの練習をホワイトボードで行ったり、学年が大きい子どもにはメモとしてホワイトボードを使ったり、と使用頻度はかなり高いですね。
さて、日本では「書く」ときには紙に・・・ということがお決まりのようにありますが、このホワイトボードは普通に書く練習としてみても、特別支援的にみてもとてもいいアイテムです。
●筆圧が弱い子どももささっと書ける。
鉛筆は筆圧の弱い子にはとても書きづらいことがあります。ホワイトボード用のペンですと、筆圧にあまり関係なくしっかりと字が書けるのでお勧めです。
●間違えたらすぐに消せる
私たち大人もそうですが、間違えたものをいつまでも紙に残しておくことは、いくら「記録」だと思っても、なんとなくあまり気持ちのいいものではありません。子どもも同じです。特に、計算に自信がなかったり、読み書きが得意でなかったら、消しゴムで消してばかりでそれに時間がかかってしまいます。また、どれだけ消してもうっすらと残ってしまうこともあります。しかし、ホワイトボードでは、間違えたらささっと消すことができます。
●残す必要のないものはホワイトボードで
英語の綴りの練習、漢字の練習や計算練習にはホワイトボードを使い、記録として残すときには紙を使う、というように分けることもいいかと思います。また、単語のディクテーションではホワイトボードに行い、それをデジカメに撮って残す、ということもできますね。
ホワイトボードでなくても、透明のクリアファイルなどもホワイトボードの代わりに使用できます。
まず、一つ目の使い方。
上の透明のファイルに白色、または色が付いた紙を入れて、使用する方法。これで机の上で書くときには何の問題もありません。(ディスレクシアを持っている人には、黄色や水色のフィルターを使用することにより、白色の背景よりも見やすくなることもあります。ですので、この色付きの紙の色を子どもの見やすさによって変えることも可。)
これは、ラミネート用のパウチでも代用できます。紙を挟んだままラミネートして、そのまま使用できます。
二つ目の使い方。
透明ファイルを使って、そこに文字をなぞらせる。
形が上手に取れない子どもや小さい子にはお勧めです。クリアファイルをずらせば
「ほら、こんなに上手に書けたね」
と励まして、自分で書くように促してあげます。
こんなふうにして紙以外のものを使っても書く練習ができます。ほかにも砂を使って書くことなどもありますが、手軽に(汚れずに)できるものとして、クリアファイルやホワイトボードだったらすぐに実践できますね。
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