フィンランド学校見学 5. 特別支援教育

過去 4 回分のお話はこちらから。(↓リンクをクリックすると別タブで開きます)

1.『フィンランド学校見学 1. ヘルシンキ~ユヴァスキュラ

2.『フィンランド学校見学 2. 教室の様子 – 構造化 –

3.『フィンランド学校見学 3. 教室の様子 – 特別支援はすべての子への支援 –

4.『フィンランド学校見学 4. 廊下と玄関


フィンランド学校見学の 5 回目。今回で最後になります。

今回のフィンランド訪問では特別支援教育の先生とお話をする予定でしたが、残念なことに突然キャンセルになってしまい、いろいろ聞きたかったことが聞けずに終わってしまいました。が、数名の先生と話をしたり、教室を見たりしたことから私が感じたことをお伝えします。

フィンランドはインクルーシブ教育を進めており、特別支援教員は学校に常駐し、個別指導などを行っているそうです。私が訪問した学校も 2 校とも「特別支援教室」がありました。(教室数はわかりません。)

一つ教室を見せていただくと、非常にシンプルでした。1 校では先生が一人と児童が数名、ともに学んでいました。この教室が日本でいう「通級」のような教室になのか、それとも「特別支援学級」のようなものなのかはわかりませんでした。

通常の学級を見学しているときに、一人の児童に特別支援教員がついていました。この子にはフィンランド語(国語)の授業と英語の授業に同じ先生がついていました。

これだけ見ると、ちゃんと支援が受けられるのね、と思ったのですが、フィンランドの中学校で教鞭をとったことがある日本人の先生とのお話から以下のように聞きました。

毎朝、8 時にオンラインで支援教員を予約する必要がある

どういうことかというと、どの子にどの授業にどれだけ支援をつけるのか、ということが決まっているわけではなく、自分の教室で支援が必要な生徒がいれば、教員が自分で支援教員を毎朝「予約」しなければならないということだそうです。みんな朝 8 時になると一斉にパソコンをクリックして予約するらしく、数秒でも遅いと予約が取れず、運が悪ければまったくその子に支援が付かない日もある、と。これが普通なのか、それともこの学校がそうなのかはわかりません。

また、フィンランドの先生が自分のクラスにも ASD(自閉症スペクトラム障害)の児童がいるけれど、支援教員がいないため授業も困ることがある、とも。こういうことがあるため、(2025 年 5 月の時点では)2025 年 9 月から特別支援教育について政府が新しい政策をとることになっていると言っていました。

私の訪問時点では、特別支援という視点から見たら「フィンランドだからいい教育」とは言い切れないのかな、と感じました。

こちらは『フィンランドのインクルーシブ教育ってどんな感じ?(先生の学校というサイト)』)(←↓クリックすると外部サイトが別タブで開きます)の記事です。

フィンランドの学校を見学した後にこちらの記事を読み、やはり私が見て感じたように『これまで十分に投入されてきた人材面でのリソースがカットされ、従来の環境を提供することが難しい状況になってきてしまってい(同記事より引用)』る、いわば現場の対応の転換期に差し掛かっているということなのかな、と思った次第です。特別支援教育、個別最適な学びが今後、日本だけでなく、フィンランドも、私が働いているイギリスでもよりその在り方が問われていくのだと思います。

最後に驚いたことのが小学校の時間割。

●給食の時間が毎日ばらばら

●朝の会がない→教室に児童が来て、そのまま授業に入っていく(出欠席確認も朝一で行わない)

●朝、登校する時間が毎日同じではない(8時登校もあれば 9 時登校もある)

●3 年生以上の先生は、教科別になっていることもあり、自分の教科が終われば帰宅(午前中で帰る人も、午後 2 時ごろに帰る人もいる)

●1 年生は午後 1 時には下校

●中学年以降、午後 1 時半から 2 時半には下校

先生の勤務時間が短い!これには驚きました。午後 2 時に帰宅できれば、心に余裕が生まれるよね~。

以上、フィンランドの学校見学についてのお話は終了です。訪問させていただいた二つの学校から見えたことは私の視点での話ですので、これがフィンランドの学校の全体像であるとは決めつけられません。私の疑問だったフィンランドの学校は「何がいいのか」は、一言で表すのなら(時間・財政・人材の)「余裕」という言葉がしっくりきました。転換点を迎えた今、どう変わっていくのか今後も見守っていきたいと思います。

【カテゴリ:学校外】ナビゲーション

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