算数学習目標:レセプション
今回はレセプション(「 Key Stage とは」を参照) での算数の学習目標を紹介します。前回紹介した 7 本の柱と今日紹介するものとでは、言葉や項目が多少違っています。でも、内容自体は今のところ大きな変更はないようですので、このまま 2010 年までのもので紹介したいと思います。
イギリスのナショナルカリキュラム (学習指導要領) によると、レセプションでは、以下の 10 項目をレセプションが終わるまでに到達すべき目標としています。
・1~10 までの数を具体物を用いて数えることができる
・1~9 までの数字を書くことができる
・more/less、greater/smaller、heavier/lighter などの言葉を用いて、2 つの数や量、重さなどを比べることができる
・日常生活で用いる加法や減法についての言葉を使い始めることができる
・10 までの数で、ある数から 1 大きい、または 1 小さい数がわかる
・2 つの数を合わせていくつになるのか、また差はいくつになるのかわかる
・簡単な繰り返しパターンから規則を見つけることができる (例:○△□○△□○・・・次に△が来る)
・日常生活で用いる基本的な平面・立体図形の言葉を知る
・位置関係を日常生活の言葉を使って説明できる
・日常生活で起こる具体的な問題を解いたり、数学的な考え方を養うことができる
以上なのですが、これはあくまでも目標であり、学校によっては 10 よりも大きい数字を教えたり、100 まで 10 ずつ数えたりすることもあります。
この目標を見ると、何だか難しそう感じがしますよね。しかし、実際にはこれ、親子の会話を聞いていると普通に話されている日常生活の言葉なのです。例えば・・・
「これとこれ、どっちが重い?」
「お母さん、隣に座って」
「三角おにぎりがいい」
「ひとつ食べたらいくつのこる?」
「公園に木が何本ぐらいある?」
「お友達何人いるか数えて」
「赤い車の前には何色の車が止まっている?」
などなど、これがそのまま算数になっているのです。
もちろん、日本から来たばかりの子は、英語でこういう表現が理解できないケースが多いので、やはり最初は大変です。でも、イギリス人の子どもであっても、普段からこういう会話をしていないと、授業の内容が理解できないこともあるんです。逆に言えば、普段から日本語で上記のような算数的な言葉に触れているお子さんは、たとえ英語がわからなくても「これってこういうことかな?」となんとなく理解でき、言葉はあとからついてくるケースも多々あるのです。こういった例から見ても、やはり普段の親からの言葉がけがいかに大切なことなのかを実感できると思います。
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