ジョリーフォニックス:アメリカ英語、イギリス英語

前回の「発音はアメリカ英語?イギリス英語?」の続きです。

Jolly Phonics(ジョリーフォニックス)はもともと、イギリスの小学校教員だった Sue Lloyd(スー・ロイド) が、自分のクラスにいる子どもの中で、なかなか単語が読めない、綴りが正しく書けない子どもたちに無理なく文字と音の関係をわかってもらえるように、その教え方を工夫したことが始まりです。その一番の特徴が文字の音一つ一つに「アクション」をつけるというもの。(余談ですが、そのアクションの中でも一番最初に考えたのが、おなかがすいたときにおなかをさすりながら、「mmmmmいいにおいがしてきた~」という m だったそうです。)m-action
クリストファー・ジョリー氏に出会って、このアイデアは面白い!ということで、The Phonics Handbook を出版することになりました。これが1992年のこと。

この後、(詳しいことは省きますが)、120を超える国々でフォニックスの指導書として親しまれてきているジョリーフォニックス。英語の単語を知っていることが前提となるアナリティック・フォニックスが主流になっているアメリカでもジョリーフォニックスの教材が開発され、学校でも使用されるようになっています。

そのため、ジョリーフォニックス教材はイギリス英語・アメリカ英語の両方ともそろっています。ほぼ同じ内容ですが、微妙に以下の点で違っています。もしどちらにしようか悩まれているのであれば、これが参考になれば幸いです。

【体裁】
イギリス版(左)はA4サイズ。アメリカ版(右)は 21.59cm×27.94cm です。
左:イギリス英語 右:アメリカ英語

【書体】
イギリス英語(写真左):pre cursive と呼ばれる書体。筆記体の一歩手前というとわかりやすいかな?
イギリスの小学校では、6年間終了する時には、子どもたちは筆記体で書けるようになることが目標となっています。しかし、いきなり筆記体は書けないということで、文字と文字とつなげやすい書体=半筆記体となっています。特徴は、a, d, h, l などの文字を見ると、尻尾が付いたようにぴょんっと撥ねているところ。下の写真の m も最後のところが撥ねていますね。
アメリカ英語(写真右):print letters と呼ばれる書体で、ブロック体のことです。 日本もアメリカに倣っているので、こちらの書体の方が馴染みがあるかもしれません。m の字を見ても、最後は下に向かって止まっています。撥ねがありません。
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【Alternative Spellings 同音異綴り】
同音異綴りというのは、同じ音だけれど綴りが違うもの。(例:子どもたちは、ジョリーフォニックスでは、まず、アイという発音の文字として ie を学び、その後、同じ音だけれど綴りが違うものとして igh, y, i_e を学びます。この ie を基の文字とすると、igh, y, i_e が同音異綴りと言うわけです。)
これを The Phonics Handbook, Pupil Book (Student BookというのはPupil Bookのアメリカ版) 、Jolly Grammar で学んでいきます。ほぼ同音異綴りの基になる文字は同じなのですが、唯一違うものとして、「 al, aw, au(これらが同音異綴り)」 の基の文字です。
イギリスでは or の同音異綴りとして、上記の綴りを学習します。これに対して、アメリカでは o の同音異綴りとして上記の綴りを学習するのです。
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【単語】
ジョリーフォニックスでは、イギリス英語とアメリカ英語の単語の違いはほとんど見られません。

【音声】
CDなどは今のところ残念ながら販売されておりません。唯一音が出る教材としてご家庭など少人数で教えられるときには、Jolly Phonics Extra があります。中身に関してはこちらをご覧ください(「英語を母国語としない親のための教材 Jolly Phonics Extra(1)」「Jolly Phonics Extra TalkingPENを使って

【電子機器】
iPhone や iPad をお持ちの方は、アプリが購入できます。こちらは、イギリス英語、アメリカ英語が選択できます。アプリの購入はコチラのApple のサイトから。

もし電子黒板が使用できるのであれば、ジョリーフォニックスのソフトがお勧めです。こちらはイギリス英語、アメリカ英語から選択できます。

以上ですが、もしかしたらまだあるかもしれませんので、見つけたら、こちらにまた記載していきたいと思います。

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