2020 年 2 月ジョリーフォニックス教員研修

2020 年 2 月は 3 か所で先生方にジョリーフォニックスの教員研修をさせていただきました。

今回訪問した 3 市では 3 年前からジョリーフォニックスの研修をさせていただいています。こうやって毎年、お声をかけていただき、先生方に研修をする機会をいただけるのはとてもありがたいことです。

こちらの 3 市では、3 年前に初めてジョリーフォニックスの研修を行い、ジョリーフォニックスについて指導方法やなぜ行うのか、ということを先生方に知っていただきました。そこから 2 年かけて少しずつ実践をしていただきながら、クラスや学校、市によっては「42 音の基本の綴り」が終了したところも出てきました。そうなると、「42 音の基本の綴り」の次のステップの指導が必要になってきます。

今回の研修では、いきなり同音異綴りとひっかけ単語を行っていくのではなく、「42 音の基本の綴り」をどう授業で活かすか、ということをテーマに先生たちと考えていきました。

先生方に「42 音と基本の綴り」で読める単語と読めない単語をまずはピックアップしていただきました。そして、フラッシュカードを作りました。

さすが先生方、さささっと作られます。このフラッシュカードに単語を書くのですが、ここで

・「42 音と基本の綴り」で読めるものは黒色で点を付ける

・「42 音と基本の綴り」で読めないものは別の色で点を付ける

ことを行います。これだけで、先生方も「42 音と基本の綴り」の復習になり、また、子どもたちに単語を読み書きさせる時にも、丸写しを強要するのではなく、どこに気を付けていけばいいかが指導できます。

先生方は、今まで学習した「42 音の基本の綴り」を子どもたちに使ってもらいたいと思っていたけれど、どうやって行っていいか悩んでいたので、これならやれそう、とおっしゃっていました。これを教科書に出てくる単語で行いながら、次のステップに進みます。それがひっかけ単語と同音異綴りです。

ひっかけ単語や同音異綴りを教えるのは難しそう・・・と思われるかもしれませんが、 I, he, when, to, go など頻出単語の多くはひかっけ単語です。また、baseball, driver, play などは同音異綴りです。これらの単語は教科書にもよく出てくるので、これらをやはり指導していく必要があるのです。次回の研修では、ここにフォーカスをして行っていく予定です。

私が日本でジョリーフォニックスのトレーニングを始めたころは、公立小学校での指導は全く受け入れてもらえませんでした。それがせめて「42 音の基本の綴り」だけでも!といい続けていたのが、今では、小学校で同音異綴りとひっかけ単語の指導法を研修したい、という声が先生たちの中から出てくるようになったんです。こんな日が来るなんて、本当に夢のようです(涙)。

ここまでこれたのは、やはり先生方の努力、市教委さんの力もありますが、ALT の先生方のご尽力も非常に大きいと思っています。今回驚いたのが、とある市の ALT の先生作成の素晴らしいワークシート。We Can! 2 の Unit 8 “What do you want to be?” の単元で英語で職業を読む練習を行ったそうです。ここではそのシートを見せられないのが残念ですが、内容は以下の通り。

We Can! 2 の 58, 59 ページに職業の表があります。その中から、A4 の紙に左側に単語 6 個、右側にイラスト 6 個のせます。子どもは単語を読み、それとマッチングするイラストに線を引いてもらう、というものです。単語は上から

・artist

・pianist

・teacher

・musician

・figure skater

・train conductor&nbsp

で、これを子どもたちは 2 分間で読んでみます。その後、答え合わせとして ALT の先生がパワーポイントに単語のどの部分が読めるかを音ボタンで示したものを見せていき、みんなで読み合うそうです。

「42 音の基本の綴り」で読めるものは通常の音ボタンを表示し、同音異綴りやひっかけ単語の音ボタンは色を変えるなどの工夫を加えるだけで、子どもたちは自分で読めるようになっていくそうです。このポイントとして、

・「42 音の基本の綴り」で読めるものから始め、少しずつ難しくし、最後は長い単語にする

ことが挙げられます。従来では、単語や丸暗記して読ませていましたが、子どもたちは自分で「読んでいる」わけで、長い単語や知らない単語に遭遇しても、こういった経験を通じて読めるようになっていくわけです。

そしてもう一つ、

・十分な音声のインプットがある

ことが挙げられます。聞いたことのない単語を読んでもそれが正しいかどうかはわかりません。ですので、それまでに音声がたくさん入っていると、色が付いた音ボタンは自分で読みかえることができやすいとのこと。これが自分で読む力につながっていくわけです。

こうした実践をしてくださっている市教委さんに本当にただただ「ありがとう」です。この市で育った子たちの今後がとても楽しみです。次回は、同音異綴りとひっかけ単語の研修の様子をお知らせできるといいな。

【カテゴリ:日本の公立学校でのジョリーフォニックス】ナビゲーション

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