Jolly Phonics教材、中身の紹介
「Jolly Phonics 教材は何が必要?」の続きです。
Jolly Phonics の一番特化した点は「アクション」だと思います(これはJolly Learning社の社長のChristopher Jolly 氏もそう言っております)。シンセティック・フォニックス(簡単な説明はこちらとこちら)を教える教材はたくさんあります。大抵はsならばsnakeのイラストを見せて、s という文字と音を導入していくように、文字の音と形を絵で教えていくものが主流です。
しかし、Jolly Phonics では見開きのイラストを見せて、そのお話を読み、登場する音=文字の音をアクションをつけて教えていきます。アクションを使うことによって、体を動かすことが好きな子には文字と音の関係がスムーズに入っていきます。文字を見せても音が出ないときにアクションをしてあげると、すぐに音が出てくるんです!これを繰り返すことによって、記憶として残っていきます。しかし、一番特化しているこの「アクション」を教えるには、何のアクションなのかを理解する「お話」が必要になるわけです。
その例として、お話がついている教材を最初にを紹介します。
まずは、Finger Phonics 。下のイラストはJolly Phonics では6番目に教える「n」の文字。
このイラストを見て、どんなお話かを読みます。
「おじいちゃんと魚釣りに行った二コラ。静かにしているように言われて、じっとしていたけれど、ちょっと飽きてきちゃった。そうしたら、突然、頭の上をnnnnnとうるさい音が聞こえます!小型飛行機!おじいちゃんは「うるさい!」と耳をふさいでしまいました。「おじいちゃん、うるさいのは私じゃないでしょ」と二コラは nnn と言いながら飛行機の真似をして丘を駆け上がったり下りたりします。」
そして、両手を広げて nnnn と飛行機の真似をします。この両手を広げて飛行機の真似をするのがアクションです。左ページ下にそのやり方が説明されています。
この教材の優れた点は右下に見える n の文字。これ、実は溝になっているんです。(いまいちわかりにくいかもしれませんが、この写真をクリックしてみてください。)書き出しの白い点に指を置くと、自然とこの文字をなぞれるように溝が掘ってあります。特に書き順を教えなくても、不思議と子どもはこの通りなぞっていくんです。
特に、鏡文字になってしまう子、ディスレクシアを持っている子、文字の形がなかなかうまく入らない子、年齢が低い子には、この溝の文字が非常に効果的です。
これ以外にも、Jolly Phonics Extra にも同じイラストがあります。
こちらは、TalkingPENを使えば、右上のコンピュータを触るとお話を読んでくれます。また、文字もnを含む単語のイラストも右にある単語も読んでくれる優れもの。アクションも同じく左ページ下にあります。
では、お話はどこに書いてあるかというと、Jolly Phonics Teacher’s Book の中です。
ただ、問題はすべて英語。英語が読める方は大丈夫なのですが、特に英語が得意だというわけではない人にはかなりきついかと思います・・・。この日本語版を出してもらえるように直接社長さんに声が届けば、きっと日本語版が出ることでしょう!
*私のトレーニングに参加してくださった方には、簡単になった42のお話の冊子をお渡ししています。お子さんに合わせてお話を長くしたり、ちょっと変えたりしてくださいね。
他には、The Phonics Handbook も簡単なストーリーが書かれています。
Finger Phonics がなくても、このイラストを見てお話をし、アクションを教えていくようになっています。
左側のページにはどうやってレッスンを行っていくのかが書かれているので、この通りに行っていきます。
また、Big Book (教室で使用するFinger Phonics が大きくなった本) にも簡単なお話が書かれています。
次に、書くことですが、上記 The Phonics Handbook では n の文字を書くだけになっています。これに対し、Pupil Book では復習もできるようなっています。
左にある4つの絵は、それぞれの単語を読んであげ、その中に n の音が含まれているかどうかを聞く練習です。
この「聞く」力をつけることによって、単語を聞き取り、書く力につながっていくのも、Jolly Phonics の特徴。
他の書く教材には Jolly Phonics Workbook があります。
運筆練習がどのページにもあり(右ページ一番上)、鉛筆を正しく持ち、書く練習を始めたお子さんにはいいですね。
ただ、このWorkbookは少し古く、以前は大文字も一緒に教えていた名残なのか、どの文字にも大文字を書く練習もあります。
2012年に出されたPupil Book (上記) では、大文字は小文字をすべて習った後に指導するようになっています。
Activity Book はシールやイラストもたくさん!
これは z のページです (n のページでなくてごめんなさい!)
左ページは塗り絵。右ページは z の練習と音の認識 (pupil book と同じ進め方ですね) 。
Activity Book というだけあって、これで終わりではなく、迷路があったり、シールをはりつけたり、種を植えてみよう、というページがあったり、楽しいですね。
ただ、こちらも日本語の訳はありません。内容もアクティビティばかりではなく、単語を書いたり、センテンスを読んだりするので、結構中身は濃いですね。
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私は英語を教えるときだけでなく、基本的に子どもの視点に立つということと多感覚ということを重視して教えているので、このJolly Phonics の教え方は私のツボにぴったりはまっています。実は、今日、日本の大学から先生がイギリスの私が勤めている学校にJolly Phonics の授業の見学にいらして、アクションや歌、そしてFinger Phonics に感動されていました。やはり、私が思っていることと同じ感想をおっしゃっていました。日本で紹介してくださるそうで、今後のJolly Phonics の展開が楽しみです。
私ももっともっと多くの方に体験してもらいたいなぁと思っています。日本に戻ったときに、もっとたくさんの人に体験してもらえるようなセミナーを開催できるような知恵をどなたか貸してください!
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