『はじめての Jolly Phonics 2』の内容紹介
日本語版『はじめてのジョリーフォニックス 2』が発売されて、8 か月が経ちました。
使用してくださっている先生から少しずつですが、感想をいただいていますので、紹介します。
ジョリーで、少しずつ確実に進む事が、生徒さんの読める、出来るという自信に繋がっている気がします。お勉強が苦手でふざけてしまう生徒さんでも集中できる 15 分間。
(ジョリーフォニックスの指導歴 3 年の先生)
うれしいお言葉ですね。15 分で一項目ができるため、子どもたちにとっても無理のない構成になっています。そこで、今日は活用方法を紹介・・・と思ったのですが、私、この HP で『ジョリーフォニックス 2』の内容を紹介していないことに今、気が付きました!そこで、今日は内容を紹介したいと思います (目次は上のリンクをクリックしていただくとそこから見ることができますので、ぜひご覧ください)。
ぜんぶで 23 ユニットで構成されていて、そのユニット毎に以下の 5 つの項目(Lesson)を学習します。
①同音異綴り
『はじめてのジョリーフォニックス』で学習した 42 音のうちの母音 10 個と子音 2 個、そして新しい母音 1 個の、合計 13 個の音の同音異綴りを順に学んでいきます。
②ひっかけ単語
各 unit 毎に 2~3 個ずつ登場します。
③ディクテーションと文字の練習
④トピック
日本語版のみの項目で、英語を外国語として学ぶ子どもたちに必要な語彙を学びます。
⑤読解
日本語版のみの項目で、イラストは英語版と同じですが、日本語版はそのユニットで学習した同音異綴りとひっかけ単語、トピックで学習した単語を用いて文を読み、問題に答える形になっています。
この 5 つの Lesson が Unit 毎に繰り返されるという構成です。日本語版の構成内容として特に意識して作り込んだ箇所について、以下の 5 点に絞って紹介します。
【その 1】習った単語をすぐに使う
日本語版で特に意識したのは「習った単語を使うこと」です。特にひっかけ単語は文脈で理解できるものも多くあるため、例文を載せるようにしたり、⑤の「読解」の部分でできるだけ使用するようにしました。
もちろん、すべてを使うことができていない部分や、日本で英語を学習する子どもたちには難しかったりするものもいくつかありますが、少しでも慣れていってほしいなと思いながら、できるだけ「習った単語を使った文章」を心がけました。また、ティーチャーズブックでは、①, ②, ④ ,⑤の部分には例文を用意しています。先生たちには子どもたちの様子に応じて、こうした文を紹介してほしいと思います。
このユニットの Lesson 1, 2 で学習した /ou/ /oa/ の同音異綴りとひっかけ単語 what, always を使用した Lesson 5
【その 2】理解しているかどうかを見るアクティビティ
イギリスでもそうなのですが、フォニックスを習うと子どもたちはどんどん知らない単語も読んでいきます。大人は「すごい!」と感動し、次へ次へ、と進んでしまいがちですが、子どもたちは 「読める」=「理解している」とは限らない のです。
読めたらその単語、文の意味を理解しているか確認しなければなりません。そこで、文を読んで絵に足りないものを付け加える、色を塗る、絵を描く、問題を読んで〇×で答える、などといった「理解しているかどうかを見るアクティビティ」を入れています。
【その 3】登場する文法を限定
次に気を付けたのは、文法です。原書では、当然ネイティブの子どもたちを対象にしているので、いきなり現在完了形が出てきたり、過去形が出てきたりするので、日本に居て英語を学ぶ子どもたちにとっては難しいものになっています。
これに対応するため、はじめてのジョリーフォニックス 2 の中で使用される文章は、現在形(三人称単数含む・進行形含む)と過去形、そして could, would, should を使ったフレーズに絞っています。
【その 4】文字の練習量
文字の練習量を増やしました。中学校の先生と話していた時に、大文字はよくできるけれど小文字が入っていない生徒が比較的多くいる、小文字と大文字のマッチングがあまりできていない、などの話を聞きます。またアルファベットには書き順は特にありませんが、子ども運筆を考えるとこうしたほうがいい、と思われるものがあります。子どもにとって負担の少ない書き方を紹介しています。
【その 5】IPA ベースの音
もう一点、日本語版では同音異綴りに 1 つ新しい音が追加されていることをここに記しておきます。
何の音かというと、all, saw, August の al, aw, au の綴りで、発音記号では c のさかさまに : がついている音です。イギリス英語では or, アメリカ英語では o の同音異綴りとして指導されていますが、日本ではこのどちらにも当たらないということで、日本語版オリジナルになっています。
細かな点はほかにもありますが、原書(Jolly Phonics Student Book 2, 3)との大きな違いをご紹介しました。最後に、原書では Jolly Phonics 2, 3 はそれぞれ購入しなければいけませんが、日本語版「はじめてのジョリーフォニックス 2」はこの 2 冊分が1冊にまとめられています。そして、指導内容はこれで終了し、この後は Jolly Grammar に移行していきます。ですので、これ以上 Jolly Phonics の指導内容が増えることはありません。
私個人としては、習った文字と音、ひっかけ単語だけを使って読めるデコーダブルブックを次に作っていきたいと思っています。読むことに慣れていく、というのはとても大切なことです。特に読むことに抵抗を感じている子どもたちには、習ったことを使って「読める!」という気持ちを育てていってほしいな、と思っています。
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