ジョリーフォニックスを学習すると・・・
現在、小学校5、6年生の外国語活動では We can! 1, 2 という教材が使用されています。現段階では、子どもたちに単語の読み書きをすることは指導されていませんが、中学校へ行って、読み書きに躓いてしまう子どもたちが多くいると聞きます。特に、単語を「丸暗記」しなければならないため、暗記が苦手な子にとっては、中学校での英語はつらくなってしまいます。
英語を母語とするイギリスでも、英単語は「丸暗記」ではなく、英語の文字と音にはある程度規則があるため、ひらがなを指導するように文字と音の関係を指導していきます。子どもたちは、習い始めてすぐに 3~4文字(音)ほどの単語が自分で読み書きできるようになっていきます。そして、規則的に読めない単語(ひっかけ単語=これは暗記しなければならない単語)も少しずつ習い、また、同じ音でも違う綴りになるもの(同音異綴り)を学習していきます。ひらがなを指導するように・・・というところが大切で、子どもたちは「暗記」ではなく、一文字ずつ音を発しながらそれらをくっつけて「自分で」読めるようにしていくのです(これがシンセティック・フォニックス)。
では、これを習うと、日本ではどれだけ読めるようになるんだろう・・・と思う人もたくさんいるかと思います。以前、中学校で学習する単語を調べてみたところ、ジョリーフォニックス(42音+72個のひっかけ単語+約20個の同音異綴り)を学習すると約70%の単語が読めることが分かりました(シュワ―サウンド=曖昧母音は除く)。今回は先述の We can! 1,2 の単語を調べてみたところ、やはり、約70%の単語が読めることがわかりました。読めない単語には、January・・・ December などの月(読めるものもある)や Monday などの曜日もここに含まれます。この数を見て、多いと思うか少ないと思うかは人さまざまだと思いますが、規則的な単語は約60%(ジョリーフォニックスのうち、42音と同音異綴りで読めるもの。ひっかけ単語=規則的ではないので除く)あるので、その規則を理解すればそれだけのものは暗記ではなく読めるわけです。
また、英語の基礎、と言われている子どもたちが最初のころ習う読み書きする単語というのは(今までは中学1年生、今後は小学校高学年)、実は30%はイレギュラーなもので、綴りが難しいわけなのです。私は指導者がそれを知っているべきだと思っています。子どもたちの負担を減らすためにも。
ジョリーフォニックスを指導してい私が何よりもうれしいのは、以前も書きましたが(2018年5月覚書その3:成功体験を積む)、子どもたちが「読もう」とするようになることです。幼児~小学1年でひらがなを学習し始めた子どもたちが、目に付く文字を「読もう」とするようになりませんか?まさにそれなんです。知っている文字があれば、子どもたちはそれがなんという音なのか出してみたくなります。すると知っている単語になる・・・そのときの子どもたちの顔!これが英語でできるようになることが、私はとても大きなことだと思っています。
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