ディスレクシアを持つ子どもへの読み書き指導
「ディスレクシア」と言う言葉も少しずつ、日本でも聞かれるようになってきています。が、まだまだ学校の現場でもこの言葉を知らない、または言葉は知っていてもどういうものかを知らない先生が多いのも事実。
簡単に言うと、
言葉の音と文字を結び付けることが、脳の機能によってうまくいかない
ということなんです。
例えば、「おはよう」という言葉を聞き、それを文字で表そうとしても、「よ」が鏡文字になってしまう。今度は「おはよう」という文字を見た時に、「お・・は?わ?・・よ・・う」とたどたどしく読んだり、「一つのかたまり」として読むのが難しかったりします。
本当に普通の子どもだし、発言はしっかりできるし、知能に全く異常がないのに、こうした文字の読み書きができないということで、「怠けている」「もっとしっかりやりなさい」と言われてしまうんですね。でも、ディスレクシアを持つ子どもを見ているとまじめな子が多く、一生懸命やっているんです。でも、できない。で叱られる・・・どんどん勉強もいやになってしまう・・・二次障害も出てしまうんです。
私はこうした子どもたちを何とかしたいと思い、ディスレクシアの研究も進んでいるイギリスで勉強し、学校現場や個人指導をしながら読み書き指導を多くの子どもたちにしてきました。最近は、日本にいる英語に対して読み書きが苦手な子どもたちにもスカイプレッスンを通して、サポートをしています。
その中の一人の子どもの様子を今日はお伝えします。
【対象】日本在住の小学5年生の児童。
・LDと診断されている
・ローマ字学習で全く文字が入らない
英語に対して
・英語なんてできなくていい
・どうして英語を勉強しなくちゃいけないの
と強い拒否感を示す。
【使用教材】ジョリーフォニックス(Big Book, Student Book, Flash cards)
【最初のテスト】文字と音がどれだけ結びついているか確認。音素といい、英語の一番基礎になる音を聞き、文字にするテストで、 s, a, t, i, p, n, c, e, h, r, m, d の文字を一つも書くことができず。
【レッスン形式】夏に対面式4時間のグループレッスン。
【終了時テスト】上記、すべての文字を書けた(d は b となりましたが)。簡単な単語の読み書きもできた。
【その後のレッスン】9月より週に1回ずつ15分のスカイプレッスン。夏の対面式グループレッスンから1か月以上経っていたが、最初のレッスン時にはすべての文字を読み書きできていた。現在は、毎回行うたびに、一つずつ文字を導入。
【レッスン一コマ】u の音と文字を習った後、私が太鼓のイラストを見せ、drum と英語で言ったときに u の音が聞こえるかどうかの確認をしたら、自分で
d/r/u/m と口ずさみ、「真ん中にある!」と。「すごいね!」と褒めると、「これ、書いていい?」と自分から言い出して、書いた単語がこれです。
書けたときのこの子の笑顔!自分には英語なんて絶対必要がないといっていた子が、今は「世界が広がった」と。そして、「英語を読みたい」と思えるようになったと、お母さんも驚いています。
他にも、何名か同じようにスカイプでレッスンをしているのですが、同じような感想を残してくださっています。
例えば、今まで s が鏡文字になっていた子が、ジョリーフォニックスで学習し始めたら、正しく書けるようになったとか、街で見かけた英単語を読み始めたとか・・・。
これがジョリーフォニックスのすごいところ!
【私の今後の課題】th, ou, ai などのダイグラフ(二文字で一音)や同音異綴り(同じ音でありながら綴りが違うもの)を導入していくときに、どうなるか・・・ここを私のテーマとして今年は勉強・研究していきたいと思っています。
【トレーニングのお知らせ】
ジョリーフォニックスは特別な支援が必要な子どものためだけのプログラムではありません。が、特別な支援が必要な子どもに入りやすいということは、健常児にも入るということです。実際、どの子どもたちも楽しんで英語の読み書きを学んでいきます。
ジョリーフォニックスに興味のある方は以下、日本で以下の日程でトレーニングを行いますので、お気軽にお問い合わせください。(10月と12月のトレーニングの内容が異なりますので、ご注意ください。特に、特別な支援が必要な子どもへの指導に関しては、名古屋・大阪で開催します。東京では春以降の開催になります。)
(それぞれのチラシをクリックすると大きな画面になります。)
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