リーディング:Home Reading その 2

前回に引き続き、Home Reading の中の Oxford Reading Tree (ORT) の 1 つのシリーズ Biff, Chip & Kipper stories(ビフ、チップ、キッパーのお話)(リンクをクリックすると別タブで開きます)について少し補足したいと思います。

このシリーズ、子どもにも大人気で、どんどん新しいお話が作られています。(私もこの話、大好きです!)今は Stage 1 から Stage 12 までシリーズ化されています。・・・? Stage 1? 12?ステージって何?と不思議に思われる方もいるかと思いますので、まずはそこから説明します。下の写真をじっくり見てください。

本の左上に赤、ピンク、黄色、青色のシールが貼ってあるのに気が付きましたか?この学校で使用する本は、このシールの色で難易度がわかるようにしてあるのです。

前回も書いたように学校では様々な出版社の本を使用しています。いろんな本を読むことはとてもいいことなのですが、問題は各出版社が自分たちで勝手に難易度のレベルを決めてしまっていること。例えば、ORT ではステージという言葉で難易度を示し、他の出版社ではこれまた Unit 1,2,・・・とユニットという言葉を使ったり、Level 1,2,・・・とレベルという言葉を使ったりさまざまです。これがまた「ステージ 1=ユニット 1=レベル 1」とは限らないので、本当にややこしい!

そこで English Reading Book Bands(イングリッシュ リーディング ブック バンド)というものがイギリスで統一されていて、難易度をわかりやすくピンクや赤色などの色で示すことになりました。シールの色はイギリスで統一されているこのレベルのことなんです。(これについてはまた詳しくお伝えしたいと思います。)本にこのシールがついてくるのではなく、学校で先生が 1 冊ずつレベルを確認しながらシールをはっていくのです。

ORT からもビフ、チップ、キッパーのお話を含め、ノンフィクションやフォニックス、伝説など 9 種類のシリーズが出されています。そこでこの出版社内で全シリーズの難易度レベルを統一できるように独自にステージを 1 から 16 までと決めています。Key Stage 1 ではステージ 1~9 または 10 まで到達できることを目標にし、Key Stage 2 ではステージ 16 までが目標となっています。ただし、ビフ、チップ、キッパーシリーズはステージ 12 までしかありませんので、ステージ 13 からは ORT の別のシリーズ本を読むことになります。(Key Stage は学年の区分。これについては『Key Stage とは(リンクをクリックすると別タブで開きます)を参照)

さて、話がかなりずれてしまいましたが、このビフ、チップ、キッパーのお話シリーズのステージ 1 は、何と「絵」のみ。文字が一切ありません。親や先生が補助で付いてくる物語を読んであげ、子どもに本に親しんでもらうというのが目的だからです。一緒に絵を見ながら自分でお話を考えるのもいいし、いろいろと質問をしてあげられるともっていいですね。実際、この補助で付いてくる本には具体的な質問もついています。例えば・・・

・What can you see in the picture?(絵の中になにが見える?)

・Have you ever had・・・?(OOくん/ちゃんは・・・ことを体験したことある?)

・Why can’t you paint a dog’s face?(どうして犬の顔を絵の具で塗ってはいけないの?)

・If you had your face painted, what would you like it to be?(OOくん/ちゃんがもしフェイスペイントをするとしたら、どんなのがいい?)

などなど。できるだけ 5W1H(when, who, where, why, what, how)を使って質問してあげると、子どもの想像力や表現力が伸びていきます。日本人のお子さんだったら日本語でもちろんO.K.です。

ステージ1+ になると、Mum, Dad, I, and, you, up, go, no などの Key words/frequency words(キーワーズ/フリクエンシーワーズ:重要単語/頻出単語:これについてもまた詳しく説明します)のみで話が展開します。1 ページに Mum, Dad and Kipper. という文(というか単語)のみなんです。フォニックスを習い始めたばかりの子ども。読む楽しさを覚えていく時期です。

ステージ 2 では、このキーワーズがどんどん増えていきます。およそ 1 文が 4~5 単語くらいになり、スピーチマーク(かぎかっこ)も出てきます。

ステージ 3 では、1 文の単語の数も増え、どんどん難しい単語が出てきます。

この積み重ねで ORT はステージ 12 までいくわけです。ステージ 12 までになると、かなりの単語量になりますよ。ちょっとした小説ですね。こうして「趣味は読書」というイギリス人が増えていくわけですね。大人が読んでも十分楽しめるシリーズです。私も全部読破するのが夢・・・。


この本棚の中から本を選んでいきます。この棚の本には赤色のシールが貼ってありますね。
【カテゴリ:リーティング・ライティング・文法・単語】ナビゲーション

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