2018 年 5 月 覚書 その 1:特性を見つける

2018 年 5 月は博多でのジョリーフォニックストレーニングを皮切りに、毎日、どこかしらで研修や授業などをさせていただきました。

今回は公立小学校で
 ・通級 5 人 (!) の児童に一斉ジョリーフォニックス授業 (i と p) 
 ・3 年生に ai の授業
 ・4 年生に s, a, t の授業
 ・特別支援学級の児童二人に ai の授業
 ・6 年生に c/k/ck, e の授業
をさせていただきました。それぞれに私が一番楽しませていただいたのではないかと思うくらい、本当に子どもたちが生き生きとした 45 分間(特別支援学級では 15 分間)でした。いくつか、驚いた点やなるほどと思った点、また反省点を私の覚書として記しておきます。

●覚書その1:それぞれの特性を見つける(通級)

通級のクラスでは、通常は 5 人も一緒に授業を行うことはないと思うのですが、今回はせっかくの機会ということで 5 人一緒に授業をさせていただきました。読み書き困難を持つ子やスペクトラムのある子など、様々な特性を持つ子どもたち。授業はすでに s, a, t までしておいていただいたので、i, p で特に、
 ・ブレンディング
 ・セグメンティング
に重点を当てたものにしました。音と文字の関係はさすがジョリーフォニックスですので、その子にあったもので入っているのですが、ブレンディングやセグメンティングになったときに、その難しさが出てきます。

ブレンディング
指導時に子どもが難しいと感じたのは、「子音+母音」をくっつけることです。特に今回は、 p, t 等の破裂する音を主に使ったため、この音と母音をくっつけることが難しかったです。指を使いながら、二つの音がくっつく様子を見せたり、黒板にもマグネットを使って文字がくっつく様子を見せたりすることが重要に思われます。また、授業後、先生にお伝えしたのは、pa, pi, ta, ti という意味がないけれど、子音+母音に慣れるためのブレンディングの練習をすることです。

セグメンティング
特に今回は sit, pat など子音-母音-子音(CVC)セグメンティング(単語を聞いてその文字を書く)に各特徴が出ました。

①母音が抜ける
これは読み書き困難を持っていなくても、日本人にも英語圏のネイティブの子どもにもよくあることです。単語の初めと終わりの単語は聞きやすいのですが、どうしても母音を区別することが難しいのです。

⇒音は目で見ることも確認することもできません。そこで、単語を音素に分解し、指を使って母音を意識させます。

②音はわかるけれど、文字が想起できない
sit と私が言うと、s/i/t と自分で音声でセグメントできますが、それぞれの音を文字につなげることが難しいパターン。

⇒ジョリーフォニックスのいいのが、音をアクションやイラスト、ストーリーと関係づけて覚えているので、それを示すことで文字を想起できることがあります。しかし、それでも難しい場合は、イラストと文字が一緒になっている strips を使用して、文字を思いだせる手がかりとします。

この書体は pre-cursive ですが、日本では in print letters(ブロック体)が主です。書体と英米版を必ず確認してから購入ください。

初めて会った子どもたちの特徴を 45 分授業で見極めて指導していくのは、なかなか大変です。でも学校の先生であれば、例として

・「拗音が難しいな」(ブレンディングに難しさが出ることが多いように思われる。s-a-p と読んだのに sat と言うなど。)

・「文字が書けない」(文字と音の一致が難しいかもしれない。音はわかるのに、違う文字を書いてしまうなど。)

など、ある程度子どもの困難さがわかっているかと思います。英語にも似たような傾向が出てくる可能性が高いので、そこに注意して指導していくといいのでは、と思います。カッコ内は一例ですので、いつもそうだという訳ではありません。いきなり文字をノートに書かせるのではなく、フラッシュカードから選んだり、上記のカードから探したりする活動を取り入れていくといいように思います。

覚書その 2 に続く。

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