ざらざらパスタとつるつるパスタ
2011.7.1 / 素材
乾燥ロングパスタというと、真っ先に思い浮ぶのはスパゲッティ。じゃあ、スパゲッティってどうやって作られるのでしょうか?
こんな感じで、絞り出して作るんですね。
a) デュラム・セモリナ(デュラム硬質小麦の粗挽き)で、
b) パスタ生地を作って、
c) 機械で圧力を掛けてダイス(口金)から搾り出し、
d) 水分が 12.5% 以下になるまで乾燥させます。
さて、この乾燥ロングパスタを作るときに使われるダイス。このダイスには「ブロンズ」と「テフロン」の2種類があります。この種類によりパスタの表面のざらつき度が変わってきます。
●ブロンズ・ダイス(ざらざらパスタ)
ブロンズの口金を使ったパスタは、絞り出すときの摩擦が大きいので、パスタの表面がざらついた感じになります。このタイプにはこんな特徴があります。
– ダイスの耐久性がテフロンより劣るため、コストが高い。つまり、販売価格がやや高め。
– 茹でるときに、表面のざらつきをなくさないように、上手に扱う必要がある。
– 表面のざらつきをなくさないように茹で上げることができれば、パスタにソースがうまく絡まる。
つまり、ちょっと高めのパスタですが、扱う腕さえあれば一段も二段も上の仕上がりにできるパスタということだと思っています。火加減を誤るとせっかくの表面のざらつきが消えてしまい、ざらざらパスタを使っている意味が無くなってしまいますので、これに合った茹で方を徹底する必要があります。このタイプの有名な銘柄としては、De Cecco だとか Rustichella d’abruzzo などが挙げられます。
●テフロン・ダイス(つるつるパスタ)
一方で、テフロンの口金を使ったパスタは、絞り出すときの摩擦が小さいので、パスタの表面がツルツルになります。このタイプにはこんな特徴があります。
– ダイスの耐久性がブロンズより優れるため、コストが低い。つまり、販売価格がやや低め。
– 適当に茹でても表面のざらつきには関係ないため、そこそこ美味しく茹で上がる。
– 表面がつるつるなので、パスタにソースがやや絡まりにくい。
つまり、お財布に優しいパスタで、茹で方にかかわらず常に及第点の仕上がりにできるパスタということだと思います。口に入れたときのツルッとした食感を持たせたい一品にはこちらのほうがいい場合も多いですね。このタイプの有名な銘柄としては、Barilla だとか Buitoni などが挙げられます。
どちらのタイプもそれぞれ特徴があって、どちらが上というものではありません。一品として仕上げたときを意識して、どちらのタイプのパスタを使うのが良いのか考えながら調理してみてください。そしてそのパスタの持ち味を生かすためにも、パスタの種類にあった茹で方で調理するように注意を払うのも重要なポイントだと思います。パスタの茹で方については、また別の機会に・・・。