スコーン
Scone 2011.7.8 / デザート
イギリスの定番の焼き菓子、スコーン。30 分間もあれば作ることが出来るというのが魅力です。丁寧に捏ねたりしちゃダメで、あくまでテキトーに作るのがコツと言えばコツかもしれません。
監修・実演は haykichi さん、本名は山下桂世子さんです。
●材料 (作りやすい分量)
225g
*薄力粉 220g+ベーキングパウダー小さじ 2+塩小さじ 1/2 で代用可
*分量外で少しだけ余分に用意すると良い(●作り方の 8, 13 で使用)
大さじ 2~3
*牛乳大さじ 2~3+レモン汁小さじ 1/3 で代用可
*分量外で少しだけ余分に用意すると良い(●作り方の 12 で使用)
小さじ 1/4 程度
75g
40g
M or L サイズ 1 個
●作り方
1. 事前準備。
a) オーブンを 220 ℃に温める。
b) ベーキングトレイにオーブンシートを敷く。
c) 小麦粉と塩を混ぜて、ふるいにかける。
d) 無塩バターを 1cm 角程度に切っておく。
e) 卵をしっかり溶き、バターミルクを加えて混ぜる。
2. ボウルに 1-c) の小麦粉+塩ミックスを入れ、1-d) の角切りバターを加える。
3. 指の腹を使ってバターと粉類をこすり合わせる。捏ねるような動作は絶対にしてはいけない。
4. ぽろぽろの細かな状態(おからを炒った時の卯の花のよう)になったら砂糖を加え、同じように指の腹で優しく混ぜ合わせる。
5. ここに 1-e) の卵+バターミルク液を回し入れる。
6. 時間を置かずに、スパチュラやヘラなどで、切るように混ぜる。
7. 水分がすべて吸収されたら、手でまとめる。ここでもけっして捏ねたりしないこと。
このときに、固さをチェックする。目処としては、柔らかいけれどべちゃべちゃしていない程度。固すぎる場合はバターミルクまたは牛乳(分量外)を少し加え、再び切るように混ぜた後、再度手で纏める。
8. 粉(分量外の小麦粉)を少しだけ振った台の上に取り出す。
9. のし棒などで、厚さ 2.5cm くらいになるように、優しく延ばす。
これくらい。
(写真は、成人女性の指です。個人差あり。)これ以上薄くしないこと。
10. よく切れる型抜きで生地を抜く。絶対にくるくると型を回すようなことはしないこと。
こんな感じ。
抜くところがなくなったら、優しく丸めなおして、型で抜く。ここでも絶対に捏ねてはいけない。
11. 抜いた型を 1-b) のオーブントレイの上に乗せていく。
12. はけでバターミルクまたは牛乳(分量外)を塗る。省略しても良い。
13. かるく小麦粉(分量外)を指でふりかける。省略しても良い。
14. しっかり温まった 1-a) のオーブンに、オーブントレイごと素早く入れる。
絶対に途中で扉を開けてはいけない。
15. 10~12 分程度で焼き色が付いたら、焼き上がり。
上手く焼けたときは、これくらいまで膨らむはず。
16. 網などの上に乗せて、常温まで冷ましてからいただく。
写真は、クロテッドクリームとイチゴジャムを添えたもの。
●ポイント
バターは冷蔵庫の温度で
室温に戻してはいけません。かならず冷蔵庫から出したばかりの硬さのまま扱います。
温まって溶け出しちゃうと、その水分や油分が小麦粉に吸われてしまうのです。そうすると仕上がりにあのサックリ感が無くなってしまいます。
最初から最後まで、絶対に捏ねない
スコーンのサクッとした食感を出すためには、生地を捏ねないようにすることが一番重要!
バターや卵、バターミルクなどの水分・油分はたとえわずかであっても小麦粉に吸収されます。これを捏ねたり、強い力で押したりすると、グルテンが出来てしまうのです。グルテンが出来るとサクサクにはならず、パンのようにふわっというかもっちりとした食感になってしまうのです。
バターをこするときも、スパチュラで切り混ぜる時も、生地をまとめる時も、のし棒で延ばすときも、型で抜くときも、抜いた生地を移動するときも、どんな時も絶対に捏ねたり無理に押したりしないこと。
呪文のように「捏ねちゃダメ!押しちゃダメ!」とブツブツとつぶやき続けながら作業を続けると良いかもしれません。
生地は 2.5cm 以上の厚さで
スコーンが膨らむのには、ある程度の厚さが必要です。その目安が大体 1 インチ(約 2.5cm)。これ以上薄くすると膨らみにくくなってしまいます。
型抜きは、よく切れるものを使う
切れない型抜きを使うと生地に圧力がかかり、そうするとグルテンができてサクサクにならなくなってしまいます。スッと切り抜き、さっと外すのが基本。型抜きを回したりするのも、同じ理由で厳禁というわけです。
型抜きの代わりにコップなんかを使う場合には、なるべくガラスの厚みが薄いコップを使ってください。でも、やっぱり型抜きのほうが断然良いですよ。
最後のバターミルク+小麦粉は省略可
オーブンに入れる直前のバターミルクと小麦粉は省略しても構いません。バターミルクやミルクを塗ると、焦げ目が綺麗に付きます。小麦粉をちょっと振ると、素朴な焼き上がりに見えます。要するに、飾りなんです。
焼きあがったら、一旦常温に冷ます
焼き上がりをそのまま食べても美味しいのですが、やはり一旦ケーキクーラーなどの上で常温に戻したほうが格段に美味しく仕上がります。
これは、焼き上がりのアツアツの段階では、生地の中の水分・油分が馴染んでいないためなのです。常温まで冷ますことで味が落ち着き、ワンランク、いやツーランクもスリーランクも上の味になるのです。
常温に戻したものを、食べる際に再度オーブントースターやオーブン、或いは電子レンジでちょっと温めてください。このひと手間が美味しさの秘密なのです。
クロテッドクリームとイチゴジャム
ポイントでもなんでもないんですが、クロテッドクリームは生クリームを弱火で煮詰めて、そのまま冷ました時に表面に固まってくる脂肪分をすくったものです。イギリスのデボン地方に行くと、ホントにこうやって作られている状態のものを食べることも出来ます。(運が良ければですが。)バターより軽くて生クリームより濃いのですが、これがスコーンにぴったり。
イチゴジャムは微糖タイプではなく、昔ながらのしっかりとした甘みのジャムが合います。
問題はどちらもカロリーが高いことですね