英語論文の書き方: その1 下準備

大学院の3年間で6アサイメント (6000 words)+修士論文 (15,000 words) を書きました。これだけ書くと、ある程度、語彙力もつきましたが、初めてアサイメントを書き始めた時は、一体、どんな単語を使っていいのか、どうやって文を書いていいのか、皆目見当もつきませんでした。特に、引用文を紹介する時には
According to ~ (~によれば)
なんていう単語しか知らなかったくらい (←これで大学院に行こうと思ったところがすごい:苦笑)。

そんな私ですが、友人の助けもあり、全て無事に終了し、おまけに成績も思った以上にいいものをいただけました (pass すればいいと思っていたのですが)。そこで、せっかく培った語彙と論文の書き方 (と言っても、大したものじゃありませんが) をこのままにしておくのはもったいないと思い、このブログに記録として残そうと思った次第です。「論文の書き方:英語」の検索でここに辿り着いた方のお役に立てればうれしいのですが。
まず、予め断っておきますが、私が学んだのは教育学部特別支援教育です。ですので、ここで紹介するのは主に文献をもとにした論文 (literature review) の書き方です。また、大学によって求められるレベルも違いますし、書き方も違ってきます。疑問があれば、スーパーバイザーの先生と相談してください (私は大学まで遠かったので、メールを利用しました)。

大学院レベルで求められるのは、Critical thinking (日本では批判的思考などど訳されます。批判と言うと「え~!」と思う人も多いと思いますが、要は提示されたものを鵜呑みにせず、常に疑問を投げかけどうしていこうか考える、というような意味です。) ですので、文献にある文をそのまま引用するのではなく、そこから何がわかるのか、疑問点、自分ならどうするのか、という意見を必ず書くことが重要です。また、引用も一つではなく、複数用いて多角的に見ていく方がよりいいと思います。

さて、どう書いていいのか見つからないと、何から手をつけていいのか分かりません。そこで、自分が書きたいことや調べたいことのキーワードを羅列すると、そこからぼんやりと何をどう書こうか見えてきます。これが mapping と言われる方法です。
私が書いたアサイメント「Dyslexia:読み書き障害」を元に紹介します。
mapping.jpg
そして、このキーワードからおおよそのプロットを考えていきます。
・ 2003年に文科省がLDの数を調査⇒なぜ今?
・ 日本で Dyslexia が少ないと言われているが、本当なのか⇒現状
・ Dyslexia が英語話者に多いわけ
・ 他の言語では、どうなのか
・ どんな支援ができるのか
お分かりかと思いますが、かなり「疑問」を投げかけています。疑問が浮かばなければ、なぜこのアサイメントを書こうと思ったのかベースができないからです。自分の経験からどう思ったのか、うまくいったこと、いかなかったことなどを見直す (reflect) ことがどのアサイメントにも求められました。

そして、それぞれの単元に必要な文献を読んでいく訳です。
文献を読む時には、先に Reference にいちいち読んだものを書いていくと、後がとても楽です。そして、附箋をフル活用していきます。
大学の図書館で借りた本を見ると、たくさん線が引いてあったり、コメントが書かれていたりすることもあります。私、コレも結構参考にしましたよ。全部目を通さなくても、必要なところが一目でわかるんですよ (笑)。
こんな感じ。附箋も単元ごとに色を決めて活用すると便利。
reference 001
ここまでが、書き始めるまでに行う「下準備」です。

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