いじめについて

あるお母様から、「いじめ」について、このブログで取り上げてほしいとメールをいただきました。あってはならないことだけれど、もしもの場合にどうしていいのか困ってしまう問題だということで、少し話をしたいと思います。
いじめ。英語では bully (ブリ―) と言います。いじめ問題についてはいじめは絶対にしてはいけないことであるにもかかわらず、残念ながら、日本人の子どもは「英語ができない」ということで、いじめの標的にされてしまうこともあります。
日本人の子どもが受けるいじめとして、
・英語ができないからと言って、仲間に入れてもらえない
・英語で言い返せないから、一方的に嫌なことを言われる・からかわれる
・日本のお弁当を見て「げ~」と言われたり、「くさい」と言われたりする
ということが主なようです。ひどい話では「洋服におしっこをかけられた」子どももいるそうです。どこからを「いじめ」というのかは定義はありませんが、その子にとって苦痛に感じることならば、その行為はすぐに止めさせるべきです。また、ただ単に
・「日本人だから」という理由で、いじめられる
こともあり、これに関しては、「人種差別」とみなされ、学校でも地域の EMASS (EMAG, EMAS など呼び名は様々:Ethnic Minority Achievement Support Service: 少数民族へのサポートサービス) から担当者が来て、詳しく話を聞かれます。
イギリスのセカンダリーでは、他のヨーロッパ諸国に比べ、いじめが多いという調査結果も発表されているくらい、イギリス全土での問題になっています (2008年ガーディアン紙)。いじめの原因として
・言葉の問題
・宗教
・肌の色
・人種
が挙げられるそうです。
さて、親御さんにとって、お子さんが楽しく学校へ行ってくれることが一番の願いだと思うのですが、時としていじめに遭遇してしまうこともあります。そんなときの対処の仕方を、お伝えしたいと思います。
The Children’s Commissioner for Englandによれば、まずは担任の先生に話をすることが先決だとあります。それでも、まだいじめが続くようなら、今度は校長先生に話をし、それでもだめなら、学校の Governor (学校の運営にも関わっている組織、主に保護者がそのメンバーになっていることが多い) に話を持っていくように、とあります。
私自身の体験となりますが、今まで勤務校以外でも、日本人の子どもに関するいじめ問題でさまざまな学校へ行き、親御さんと先生、時にはEMASSの間に入り、話し合いを幾度もしてきました。自分の子どもがいじめられている場合に、どうしたらいいのかいろいろな先生に聞いてみると、どの学校でも子どもがいじめられている場合は、まずは、
「担任の先生に直接話をしてほしい」
だそうです。学校で起きていることは、学校内できちんと解決すべきです。そのためには、担任の先生がその状況を把握しなければどうにもなりません。「こんなこと言ってもいいかしら・・・」という心配は無用です。
逆にしてはいけないことは、
「親御さんが直接、そのいじめている子どもや親に話をすること」
です。学校内で起きている問題を学校外に持ち出してしまっては、どうにも手をつけられなくなってしまうことも起こり得ます。まずは担任の先生に相談しましょう。
日本人の感覚ですと、「先生に言うのは気が引けて・・・」となりがちですが、お子さんを守れるのは親御さんしかいません。苦しんでいるお子さんのために、親御さんも勇気を出して先生に伝えてください。「先生に言ったら、よりひどい仕打ちを受けるのでは・・・」と危惧される気持ちもわかります。でも、言わないままでいたら、よりひどいいじめを被ることもあり得ます。まずは、担任の先生に相談してください。
さて、今度は知らずに「いじめる側」になってしまうこともあるというお話。
ある学校であった実例です。ある一学年に日本人の子どもが三人いました。あまり英語ができないその子たちは、当然のことながらいつも一緒に行動していました。
ある休み時間のときのこと。その中の一人が、自分たちより下の学年の子を指さして、突然、笑いだしました。何でも、ポケモンに出てくるキャラクターにそっくりだったそうです。その日以降、その子を見ると、日本語でそのキャラクターの名前で呼ぶようになったのです。その後、どうなったと思いますか?
日本語でわけのわからないことを言われ続けたその子、とうとう、朝、「学校へ行きたくない」と泣きだしてしまいました。その子のお母さん、すぐに担任の先生のところへ飛んでいき、すぐに「いじめ」を止めるように訴えました。担任の先生から、日本人の子どもたちの担任にすぐに話が行き、何と、その場で校長室に連れて行かれたのです。校長先生からこんこんとお説教を受け、すぐに謝りに行かされました。
自分たちはいじめているつもりなど毛頭なかったのですが、結果として、いじめととらえられてしまったのです。
最初にも書きましたが、どこからをいじめとするのかという線引はありません。いじめをされる側にもする側にもなりたくないものですが、もしお子さんがいじめに関わっているようなら、すぐに先生に話しに行ってくださいね。

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