「ジョリーフォニックスで 42 音を教えたら、次は何をするの?」の質問は・・・?

私のトレーニングに参加してくださっている方に、「ジョリーフォニックスは 42 音を教えるだけではない」ということを口を酸っぱくして伝えています。ジョリーフォニックスは

●英語の 42 の文字(綴り)と音の関係(42 Letter Sounds)を一つずつ指導
その際、「音と文字(綴り)の関係」を 1 つ習得する都度、既習の文字を使って単語を読んだり、聞いた単語を音に分解したりするよう指導

●同じ音でありながら違う綴りのもの(rain, tray, make などすべて『エィ』と読むけれど、綴りが違う)=同音異綴り(Alternative spellings)約 20 種類を 42 音の後に指導

●同音異綴りを指導するのに合わせて、既習の文字と音の関係では読めない単語 (have, go など) =ひっかけ単語(Tricky words)72 個を指導

して、初めて「ジョリーフォニックス」が終了したことになります。イメージで表現すると、こんな感じです。

Jolly Phonicsの構成

Jolly Phonicsの構成 (c) Kayoko Yamashita

私自身、トレーナーになったばかりのころには、ジョリーフォニックスのトレーニングを「基礎編 Foundation」と「実践編 Practical」の 2 つに分け、次のようなコースレイアウトとしてそれぞれ個別の参加証をお渡しする形をとっていました。

【基礎編 Foundation】

– フォニックスの説明

– 42 の文字(綴り)と音の関係
(ブレンディング・セグメンティングをきちんと指導!)

– 同音異綴りやひっかけ単語に関してサラリと説明

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【実践編 Practical】

– 同音異綴りやひっかけ単語の詳細なトレーニング

– デモレッスン

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これは、基礎編に参加後、最初の 1 年間教室で 42 音を指導していただき、同音異綴りやひっかけ単語を教える前までに実践編に参加していただけばいいと考えていたためです。

この考えは間違っていたわけではないのですが、2015 年までのトレーニングにご参加されて「基礎編」の受講証をお持ちの方であっても、実践編に参加されていない方はもしかしたら同音異綴りとひっかけ単語を指導されるのに悩まれているかもしれません。

なぜこの話をしているかというと・・・

まず、一つ目

同音異綴りとひっかけ単語が 42 音同様とても大切であるにも関わらず、日本の現状では子どもたちに指導されていないのが残念でたまらないためです。中学校の教科書を例に出して言えば、42 音で読める単語は約 30 %にとどまります。しかし、同音異綴りとひっかけ単語まで学習した場合は約 70 %にまで上がるのです。

* 2015 年「中学校英語教科書における語彙調査(中央教育研究所)」という冊子を参考に私自身が調査した数値。

日本での英語を学ぶ環境を見てみると、次のようになっています。

・中学校で初めて学ぶ英語は、フォニックスではない
教科書がフォニックスで読める単語のみで構成されていればいいのですが、少なくとも現時点ではそんな教科書は無いし、実際にフォニックスだけで読める教科書の作成は難しい。ましてや 42 音だけで読める教科書はまず無い。

・中学校以外で学ぶ英語教材も、ほとんど 42 音だけでは読めない
中学の教科書でなくても、私たちが英語を学ぶ際に使用する教材は、現行ではそのほとんどのもに必ずと言っていいほどひっかけ単語と同音異綴りが登場する。このため、基本の 42 音だけでは読めない。

こういったことから考えても、やはり早い段階での同音異綴りとひっかけ単語の習得が必要になるのです。指導者はそれをきちんと系統立てて指導していかなければ、結局「英語は暗記」となってしまい、これまでの「単語を丸暗記する」だけの学習法と何も変わりません。
(「本を読んでいきながら、新しい綴りが出てきたらその時に指導する」という方法はアナリティック・フォニックスのひとつ、 embedded phonics といわれる指導方法です。システマティック・シンセティック・フォニックスでは、系統立てられた順番に綴りを指導していくため、embedded phonics の手法は取り入れず、まずはきちんと綴りと音の関係を指導していくことになります。私のトレーニングの中でも説明しています。)

次に、二つ目

いろいろな方のブログや Facebook、ホームページなどを見せていただくと、
 ジョリーフォニックス=42 音をアクションで覚えるもの
ということをおっしゃる方が多くて、それだけだと思われたら困る!と思ったためです。

こうしたこともあり、先日、ジョリーフォニックスの出版元のジョリーラーニング社へ行き、作者のスーさん、セーラさん、社長のクリスさん、編集のキャロラインさんに、日本でのジョリーフォニックスの指導についての話し合いの場を作っていただきました。私が日本で「ジョリーフォニックス=42 音」と思っている人が多い気がする、という話をしたときに、全員「42 音だけではない!」ということを強くおっしゃっており、同音異綴りやひっかけ単語まで教えて、初めてジョリーフォニックスで教えたということになる、と強調されていました。ですので、The Phonics Handbook も Pupil(または Student)Book 1,2,3 もきちんと同音異綴りとひっかけ単語を指導するように構成されているのです。また、トレーナーはこの部分の指導方法もきちんと指導するよう徹底されているので、ジョリーフォニックス公式トレーナーのトレーニングに参加された方ならばそういう誤解はおきないはずなのす。

(余談ですが、今の Pupil (Student) Book のままでは、登場する単語や文章が日本の子どもたちや指導者に負荷が大きすぎるということをはっきりと伝えてきました。これに関しては、今後も話し合いを重ね、日本人(非英語圏の人)にあった教材を作成していくことも検討していただいています。)

私は、この同音異綴りとひっかけ単語についての説明を「基礎編 Foundation」の一環として組み込んだほうがよりわかりやすいと判断し、2015 年夏のトレーニングから「実践編 Practical」の中から同音異綴りとひっかけ単語指導を切り出して、私のジョリーフォニックストレーニングの構成を次のようにし、Part 1+Part 2 の修了時点で基礎編の参加証を発行するように変更しました。

更に 2016 年夏のトレーニングから、Part 1+Part 2 終了時点の参加証を「42 音+同音異綴り+ひっかけ単語のトレーニングへの参加証」に、Part 1+Part 2+Part 3 すべて完了時の参加証を「ジョリーフォニックストレーニング受講証」に、それぞれ変更しました。

【Part 1:基礎編 Foundation 1】(標準で 6.5 時間)

– フォニックスの説明

– 42 の文字(綴り)と音の関係
(ブレンディング・セグメンティングをきちんと指導!)

– 同音異綴りやひっかけ単語に関してサラリと説明

【Part 2:同音異綴りとひっかけ単語 Foundation 2】(標準で 3.0 時間)

– 同音異綴り

– ひっかけ単語

– デコーダブルブックス

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【Part 3:実践編 Practical】(標準で 3.5 時間)

– デモレッスン

– ケーススタディーなど

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(2016 年冬からは、これでも時間が足りないため、Part 1, Part 2 のそれぞれのセッションを更に 30 分ずつ延長する予定です。)

Part 3(実践編)の 3.5 時間は、基礎ではないから参加しなくてよいかと思われるかもしれませんが、ここを受講することが非常に重要なのです。ここを体験することで初めてジョリーフォニックスの「多感覚」がなぜ重要なのか、どうしたら効果的に「多感覚」を取り入れられるのかということが見えてくるはずです。

私のトレーニング時間が長いという理由がご理解いただけましたでしょうか?

また、今後は Part 1+Part 2 の修了時の参加証を廃止し、Part 1+Part 2+Part 3 全て受講修了時の受講証のみにしようと考えています。やはり、ここまでやって初めて私も「伝えられた!」と思えるからです。

私のトレーニングは、毎回毎回みなさんからのフィードバックやアドバイス、それからトレーニングの手応えなどによって、少しずつ改良しています。これまでに受講された方も、復習のため、新しい気付きのため、新しいポイントの発見のため、何度でもご参加ください。特に 2015 年 12 月のセッションで一度大きくトレーニング内容を見直し、更に 2016 年 5 月セッションで再びトレーニング内容とお渡しするハンドアウトも見直しました。それ以前にご参加いただいた方も、ぜひ機会をみつけてトレーニングに再度ご参加いただければと思います。

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