フォニックスの前にすること:聞く力を養うこと その2

前回「フォニックスの前にすること:聞く力を養うこと その1」からの続きです。読み書きの勉強を始める前にすることとして、

1) 身の回りの音  2) 楽器の音  3) 体で出す音  4) リズム  5) 頭韻法  6) 声  7) 口頭での音の合成と分解
の7つの側面があることを紹介し、前回は 4) リズムまで内容の紹介をしました。今日は 5) 頭韻法から。

5) 頭韻法 :英語ではalliterationと言い、mmagic mitten というように単語の初めが同じ音になっていることをいい、このalliterationの基礎を作るのが目的です。

フォニックスにつなげていくのに、「単語の最初の音を聞きわける」ことはとても大切なことです。そこで、単語の最初の音を聞くアクテイビティとして、よく「I spy game」 を行います。教室で輪になって座り、先生が I spy someone whose name begins with A. (名前の最初がAで始まる子を見ているのよ) と言い、誰のことか当てさせたり、I spy something begins with c. (c の音で始まる何かを見ているの)と教室の中のものを当てさせることもあります。最初は、一つの単語だけに注目させ、何の音から始まるか聞き取りをします。これができるようになると、単語を書くときにどの文字から書き出したらいいかがわかるようになりますね。
(*特に日本人の場合は、一つの音は「か」「め」など子音と母音がくっついているので、なかなかkaがkで始まるということが認識しにくいのです。だからこそ、時間をかけて音素を聞く時間を取る必要があります。これがジョリーフォニックスにもつながっていくのです。)

次に、単語の最初の音を意識できるようになったら、おもしろいアクテイビティとして、宇宙人を作っちゃうのです。これはどういうことかというと・・・適当に単語を発して、それと同じ音で始まる意味のない言葉を羅列して、宇宙人の名前にしちゃうのです。Ping, poo, pang, poo など。

IMAG02706)  声:声の違いに気づくことを目的とします。
自分の声をだんだん低くしたり、大きくしたり、口を動かすことを鏡を見ながら行ったりします。口の動きを意識することは、今後、フォニックスの学習でも必要だとよく感じるので、ここで慣れさせておくといいですね。

また、動物の声などをCDで聞いて、何の動物の声かを真似したり、動きを真似したりします。

 
7)  口頭での音の合成と分解:口頭でブレンディングとセグメンティングができることを目的とします。

ロボット・トークと言い、例えば、cat を c-a-t とロボットが話しているように言う、または、先生がロボット・トークした音をつなげて、何の単語になったかを発表します。
先ほど出てきたI spy game もここでは、4) で使用したイラストなどを机において、I spy with my little eye a g-oa-t (私のちっちゃなお目目がg-oa-t を見ているよ) と順番で言っていくこともします。子どもはこのg-oa-t とバラバラになった音を自分の頭なのかでつなぎ合わせ(ブレンディング)、goatと認識します。そして、子どもに今度は単語をロボット・トークさせます。たとえば、dogをd-o-gと一つずつの音に区切って言ってもらいます。

これを文字を使って行うのがフォニックスですね。(まさにジョリーフォニックスの5つの大切な技能のうちの二つです!)その基礎をしっかりと育てます。

以上長くなりましたが、「読み書き」に入る前に行っておくこととして紹介いたしました。こうした授業を行IMAG0271うために、私が勤めている学校ではこんなバスケットを用意して、すぐに授業で使えるようにしておきます。この中には、今まで紹介した小道具が入っています。Inky Mouse もいますが、こういうパペットもよく使います。
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聞く姿勢を育てることはとても大切なことです。ここしばらくで、私たちの生活は多忙化しており、子どもたちもじっと座って何かを聞くということも減っているようです。また、テクノロジーの導入によって、自分の好きな音(音楽、ゲーム)をいつでもどこでも聞けるようになっており、自然の音に耳を澄ますことも減っています。そのため、子どもの聞く力がなかなか育ちにくい環境になってしまったように感じます。

普段の生活の中で・・・登下校の車の中で音楽を消して、窓を開けてみたり、部屋の中のテレビを消して、どんな音が聞こえるか聞いてみたり・・・一日5分でもいいので、そういう「聞く」時間を設けることで、子どもの聞く力が育つのでは、と思います。また、普段の会話もとても大切。人の話を聞くという姿勢もこうした普段の生活の中で育まれます。

先日、日本のとある大学から先生がフォニックスの授業参観にいらしたときのこと、その先生が「ただ、座って聞いていなさい、というのは子どもにはつらいけれど、目的をもって何かを聞くという授業を行うことは子どもにとっても明確でいいことね」とおっしゃっていました。忙しい時代だからこそ、時間を取って子どもに聞く力をつけさせたいとしみじみ感じます。

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