フォニックスの前にすること:聞く力を養うこと その1

イギリスでは2007年に
Letters and Sounds: Principles and Practice of High Quality Phonics Six-phase Teaching Programme

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というフォニックスを教えるための指導書を教育省が出版しました。以下、この内容をもとにして話を進めていきますので、Letters and Sounds についてご存知ない方は、私の過去の記事「Letters and Sounds:文字と音」をご覧ください(昔のブログを移行したものなので、レイアウトが見苦しくてごめんなさい)。

当然、この指導書ではシンセティック・フォニックスを教えていくことを謳っているのですが、その中でもおもしろいな、と思った部分を紹介します。

私たち、文字と音の勉強というと、すぐに「文字」を教えなくっちゃ!と思いがちです。でも、その前にすることがあるのですが、それを Phase 1 (第一段階) として、

1) 身の回りの音  2) 楽器の音  3) 体で出す音  4) リズム  5) 頭韻法  6) 声  7) 口頭での音の合成と分解  の7つの側面から音に慣れることを行うことを謳っているのです。(まだこの段階では文字の導入は行いません。)

1から行い、2,3とうつり、最終的に7まで行います。では、具体的にどんなことを行うかというと、以下の通り。

1) 身の回りの音:身の回りの音から音に対する認識を養うことが目的です。
実際に外に出て、耳を澄ませ、何が聞こえるかを話し合います。雨の日には、水たまりに落ちるしずくの音を聞いたり、風の強い日には、木や落ち葉などの音を聞いたりします。

IMAG02672) 楽器の音:自分でいろんな楽器の音を出すことによって、楽器の音認識を作ることを目的とします。
例として、同じ楽器を二組ずつ用意し、一組は教室の外、もう一組は教室の中に置きます。教室の外に一人子どもが出て、好きな楽器を手にして、音を出します。教室の中にいる子どもはどの楽器の音か聞いて当てっこをします。

 

3) 体で出す音:音とリズムに慣れることを目的とします。
例えば、箸のような棒を使って、ゆっくりと机をたたいたり、速くたたいたりして、音の違いを比べたりします。また、子どもたちにうるさい場所と静かな場所はどんなところがあるかを聞いて音に対して興味を持たせます。
IMAG02694) リズムとライム:リズムとライムに口頭で慣れることを目的とします。
リズムは上記の楽器などを用いて、速い、遅い、などのリズムを先生が取り、それを子どもが真似をしていきます。
ライムというのは、韻のこと。英語では mat, cat, hat というように同じ音で終わる単語がたくさんあり、これらは詩の中にも用いられたり、新聞の見出しになっていたり、また子どもたちが「そんなの簡単!」というときに「Easy, Peasy, Lemon Squeezy!」と言ったりするくらい、韻が溢れています。この韻を踏むことを早い時期に慣れさせる目的で行います。

例として、この写真にあるように、いくつか韻を踏んでいるもの(beeとkey、matとcat) をテーブルに置き、先生がbeeを手に取り、「beeと韻を踏んでいるものはどれ?」と子どもにkeyを探させ、key, bee と繰り返し、ライムを教えていきます。

私は日本人の子ども(4-6歳)に同じようにライムを教えていきますが、最初はなかなか難しいですね。これは、日本語の音として単語をとらえているので、cat と聞いたときに、at だけを聞き取ることが難しいためのようです。


さて、私自身、英語の音に慣れるということで、小さい時から英語の音や声などを聞かせることはいいことだと思っています。その中で、こうしたライムが含まれていたり、リズムのよいものを聞かせていくと、英語のリズムというものが身に付きやすいのかな~と思うことがよくあります。自分自身、リズム感もなく音痴なので、どうしても英語の音を聞き分ける力が昔から低いように感じます。これも経験なのかもしれません。
日本語でのお話の時間を削ってまで英語の勉強は・・・と思うことはあるのですが(母国語が備わっている子どもの方が英語の伸びも早い!)、小さいうちから楽しくかつ英語のリズムを体感できるような遊び・・・目的を持って活動ができたらいいなぁと感じます。やっぱり、小さい子どもって耳がいいですものね。

今日はここまで。5)頭韻法~は次回、お伝えします。

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