Letters and Sounds:文字と音

2007年にイギリス教育省から Letters and Sounds というフォニックスを教えるための指導書が出されました。イギリスのほとんどの学校は、これをもとにしてフォニックスの授業を計画し、指導しています。イギリスでは1990年代以降フォニックスを重要視する動きが出始め、ようやく2007年になり教育省がその指導書を作ったというわけです。
Letters and Sounds(教育省のページから本書をダウンロードできます。⇒コチラ)
この Letters and Sounds は

It aims to build children’s speaking and listening skills in their own right as well as to prepare children for learning to read by developing their phonic knowledge and skills. It sets out a detailed and systematic programme for teaching phonic skills for children starting by the age of five, with the aim of them becoming fluent readers by age seven.
(子どもの話す力や聞く力を養うことと、フォニックスの知識と技能により読むことを学ぶ準備をすることを目的としています。5歳以下の子どもにフォニックスを教え始めるために綿密にかつ系統立てて教える一連のプログラムで、子どもたちが7歳までにすらすらと読めるようになることを目的としています。)

引用元 Letters and Sounds

では、実際、どのように指導していくかをみていきましょう。
Letters and Sounds は、フォニックスの指導を 6段階 (six phases) に分類して行うように提示しています。わかりやすく、表にまとめました。
(表中に出てくる C は母音 a, e, i, o, u を、Vは子音 b, c, d などを示す。また合成はblending といい、一つの音と違う音と組み合わせて単語にすること、分解はその逆で segmenting といい、単語を一つずつの音に区切っていくことをいう。)

Phase 内容 学年
One 1) 身の回りの音 2) 楽器の音 3) 体で出す音 4) リズム 5) 頭韻法 6) 声 7) 口頭での文字の合成と分解  の7つの側面から音に慣れることを目的とする。まだ文字の導入は行わない。 ~レセプション
Two 6週間で最初の19個のフォニックスを導入。簡単な単語 (CVC: cat, dog, hat, hill:ll はlと同様一音とみなす など) の分解合成ができるようにする。 レセプション
Three 12週間でアルファベット文字のうち次の7個のフォニックスを導入 (これでアルファベットの26文字で一音読みが完了)。また、また二つ以上の文字を使って表記される音 digraph (ダイグラフ:ch, th, ee, air, or など) の18個の音も学習。アルファベット読みも指導。
Tricky words (“ひっかけ単語” と私は呼んでいます: フォニックスのルールでは読めない単語 he, was, are など) や high frequency words (頻出単語 1, 2) を覚える。
レセプション
Four 4~6週間で既習の文字を使って、CVCC (bend, hump, damp など), CCVC (track, stop, gran など), CCVCC (stand, skunk, brand など), CCCVC (spring, strap, street など), CCCVCC (scrunch など)  の単語の合成分解ができるようにする。
high frequency words (頻出単語 1, 2) を覚える。
レセプション
Five Phase Three で習った18個の音と同じ音でありながら綴りが違うもの (alternative sounds “同音異綴:どうおんいつづり” と私は呼んでいます) を学ぶ (oi と oy, oa と o-e, er と ir など)。これですべての音を学習したことになります。 Year 1
Six suffix (接尾辞 ly, ing, ed, er などを単語の最後にくる辞) を学習する。
動詞の三人称単数の s のつけ方や、動詞の過去形のルール などをここで学習する。
Year 2 ~

Phase One では、文字は導入しないものの、pretty parrot, cute cat など、文字の最初の音が同じになるように単語をいくつかつなげた 頭韻法 (alliteration)  も登場します。
Phase Six となると、ある程度の単語が自分の力で読み書きできるようになります。しかし、フォニックスだけでは読み書きできない単語もありますし、同音異綴の単語もたくさんあります。こうした単語を自分で読み書きできるためにも、本を読んだり、聞いた音を書いたりして語彙数を増やしていきます。

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イギリスでは、子どもたちの能力別にフォニックスの授業を行っています。この記事を書いている4月 (最終ターム直前) では、レセプションの子どもたちでも、進度が速い子どもは Phase three を学習しており、学習進度がゆっくりな子どもは Phase One と、ばらばらです。その子にあったレベル・ペースで進んでいくので、わからないままどんどん進んでしまうということはありません。各子どものレベルに応じて学習していくことの大切さをひしひしと感じます。
イギリスでは Year 6 が終わるときに学年相当の単語が読めない子どもが 20%弱いるそうです。その子たちはそれ以降、劇的に単語を書いたり読んだりする力をつけることないまま大人になってしまい、就職にもなかなか結びつかず ニート (NEET: No in Education , Employment or Training 教育、労働、職業訓練のいずれにも参加していない状態 Wiki) になってしまうそうです。それを止めるために今、イギリスも必死なのです (詳しくはコチラ)。
英語だけでなくすべての学習・生活の基礎となるフォニックス。やはり一つ一つしっかりと学習し、身につけていくことが大切なのです。特に日本人にとってフォニックスは正しく発音するいい勉強になります。ネイティブに通じる発音をここできちんと学べば、英語が通じる喜びを養うこともできます。単語を丸暗記する英語ではなく、音もあわせて学習していくことで自分で読み書きできる力を養っていきたいものです。

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