フォニックス

今回は、リーディングとライティングの基本となる Phonics(フォニックス:発音とつづりの勉強)についてのお話しです。日本語にはない概念なので「何のこと?」と思われる方も多いのですが、単純に言ってしまうと「書いてある通りに発音してみよう!」「聞いた通りにつづってみよう!」という感じが一番近いのではないかと思います。

まず、大切なのが英語のアルファベット 26 文字にはそれぞれの文字に「名前」と「音」があるということ。名前と言うのは、みなさんご存知の エィ、ビー、シー・・・ です。音というのは a は「ア」、b は「ブ」、c は「ク」という音です(ここでは便宜上、カタカナで表していますが、実際にはブもクも「ウ」という母音は聞こえません。)

「pin」 という単語を例にしてみてみましょう。

1.フォニックスでは、まずこの単語が p / i / n の3つの文字から成り立っていることに注目します。

2.これを、一文字ずつ発音してみます。普通の読み方では、「ピー・アイ・エヌ」となりますね。フォニックスでは、文字の名前ではなく、書いてあるとおりの発音をするという概念なので、「プ(の母音がなくなった破裂音)・イ・ン」となります。このように一つ一つの音とつづりを対応させて覚えることをフォニックスと呼ぶのです。

3.フォニックスの読み方を続けて読むと 「プイン」ですね。一つの単語だと意識して速く読んでいくと、最後には 「ピン」 となるわけです。

なかなか合理的な覚え方だと思いませんか?

ただし英語は不規則なものが非常に多く、すべてがこの通りにいくとは限りません。例えば、

・people(発音はピーポーに近い)

・cake(発音はケークに近い)

などを考えてもらえばわかると思います。people なんて、フォニックスの基本通りに読んだら ”ペオプレ” だし、cake も ”カケ” となってしまいますよね。フォニックスの学習内容の中には、実はこの people の赤字で示した部分も、cake の赤字で示した部分も、それぞれ特別なルールとして別途覚える必要があるものなのです。こういった特別ルールなども含めて、フォニックスの体系は成り立っています。

このフォニックスを教えるときに使用する教材は、学校によってまちまち。統一されているわけではないのです。(日本でいえば、教科書が「光村」や「大日本図書」「東京書籍」などその学校によって違うのと同じですね。)代表的なものをあげてみます。

Jolly Phonics

Thrass

Letter Land

Read Write Inc.

Ruth Miskin

今私が勤務している学校では Jolly Phonics (ジョリーフォニックス) が使用されていますが、同じ市内でも学校によっては Letter Land(レターランド)が使用されていたり、Ruth Miskin(ルースミスキン)が使用されていたりと様々です。今までに幾つかの学校を訪れる機会があったため、私も上記教材のうち 4 種類使用した経験がありますが、それぞれに良いところがあり、英語の音を勉強する楽しさ、そして難しさを体験できました。

今回は、フォニックスの概念だけのご紹介に留めておくことにします。また今後、フォニックスのルールや教え方などをまた少しずつ紹介していきたいと思います。

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